外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2024年5月10日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼9日(木)の為替相場
(1):タカ派的だった日銀「主な意見」
(2):中国貿易収支は予想を下回る
(3):BOE金利据え置きもややハト派に傾く
(4):米新規失業保険申請件数が悪化
(5):サンフランシスコ連銀総裁「金利調整に着手するのは適切ではない」

▼9日(木)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:円を買う理由は乏しい/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

9日(木)の為替相場

外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

期間:9日(木)午前6時10分~10日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):タカ派的だった日銀「主な意見」

日銀は4月25-26日に開いた金融政策決定会合の「主な意見」を公表。「円安を背景に基調的な物価上昇率上振れが続く場合、正常化ペース速まる可能性十分ある」「金利のパス、市場に織り込まれているよりも高いものになる可能性」「見通し確度の高まりに合わせ、適時適切な利上げ必要」などと、タカ派寄りの意見が目立った。その後、植田総裁は国会で「円安、輸入価格上昇通じて実質所得下げる影響でたりする」「政策運営にあたって最近の円安の動き注視したい」「為替変動が基調的物価に影響するリスク高まる場合、政策対応必要になる」などと発言した。

(2):中国貿易収支は予想を下回る

中国4月貿易収支は723.5億ドルの黒字と、黒字額は市場予想(810.0億ドル)を下回った。輸出が前年比+1.5%と前月の-7.5%から持ち直した一方、輸入は前年比+8.4%と予想(+4.7%)以上に伸びた。

(3):BOE金利据え置きもややハト派に傾く

英中銀(BOE)は大方の予想通りに政策金利を5.25%に据え置いた。「今後発表されるデータを検討し、それらがインフレ持続リスクが後退しているという評価にどのように影響するかを検討する」と指摘。「その上で、政策金利を現行水準に維持すべき期間について検討する」と表明した。なお、同時に公表した議事録では政策金利の据え置きが7対2で決定したことが明らかになった。反対の2名は利下げを支持した。ベイリー総裁はその後の会見で「今後数四半期に金利の引き下げが必要になる可能性が高い」「現在市場金利に織り込まれている以上の利下げが必要になる可能性がある」などと述べた。

(4):米新規失業保険申請件数が悪化

米新規失業保険申請件数は23.1万件と市場予想(21.2万件)を大幅に上回り、昨年8月以来の水準に増加。これを受けて米長期金利は低下に転じた。金利先物市場では9月利下げ観測がやや高まった。

(5):サンフランシスコ連銀総裁「金利調整に着手するのは適切ではない」

サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は「今後数カ月のインフレ率について相当な不確実性がある」としながらも「良い意味でディスインフレが起こっていると思う」と述べた。労働情勢については「雇用の伸びが鈍化している可能性はあるものの、利下げを正当化し得るほど労働市場が悪化している証拠はない」との見解を示した。その上で「インフレが根強く、一段の進展が見られないというシナリオの下では、労働市場低迷の兆候が確認されない限り、金利の調整に着手するのは適切ではない」と強調した。