主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年5月13日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼10日(金)の為替相場
(1):英国 リセッションから脱却
(2):ECB議事要旨公表
(3):米期待インフレ率上昇
(4):FRB理事「年内は正当化されない」
▼10日(金)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:156.00円の攻防が続く/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
10日(金)の為替相場
期間:10日(金)午前6時10分~11日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):英国 リセッションから脱却
英1-3月期国内総生産(GDP)・速報値は前期比+0.6%と市場予想(+0.4%)を上回った。3四半期ぶりのプラス成長でリセッション(景気後退)から脱却した。同時に発表された英3月鉱工業生産は前月比+0.2%と予想(-0.5%)に反して増加。同貿易収支は139.67億ポンドの赤字で、赤字額は市場予想(144.00億ポンド)を下回った。
(2):ECB議事要旨公表
欧州中銀(ECB)は4月理事会の議事要旨を公表。少数のメンバーは、4月会合の段階で「政策金利を引き下げる根拠があると十分に確信していた」ことがわかった。一方で「地政学的緊張の高まりによるインフレ再燃など、6月までに顕在化しうる新たなリスクも考慮すべきだ」と警戒する声もあり、最終的にはインフレ抑制の十分な証拠を得るため6月会合まで待つことで合意した模様。
(3):米期待インフレ率上昇
米5月ミシガン大消費者信頼感指数・速報値は67.4と市場予想(76.2)を下回り、前回(77.2)から低下したものの、消費者の期待インフレ率は1年先が3.5%(予想、前回ともに3.2%)、5-10年先が3.1%(予想、前回ともに3.0%)に上昇した。
(4):FRB理事「年内は正当化されない」
米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事は、今年に入りインフレの根強さを示す指標が続いている点を指摘した上で利下げについて「準備が整うまでに数回の会合を要するだろう」「年内は正当化されないだろう」との見解を示した。これより前にはダラス連銀のローガン総裁も「現在の金融引き締め政策が十分に制約的かどうかには不確実性がある」として「利下げについて考えるのは時期尚早だ」と述べた。