主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年7月4日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼3日(水)の為替相場
(1):豪小売売上高が4カ月ぶりの高い伸び
(2):ADP全国雇用者数は予想を下回る
(3):ISM非製造業 コロナ禍以来の低水準
(4):株価上昇を好感してクロス円上昇
(5):FOMC議事録公表
▼3日(水)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:161円台を中心とした値動き/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
3日(水)の為替相場
期間:3日(水)午前6時10分~4日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪小売売上高が4カ月ぶりの高い伸び
豪5月小売売上高は前月比+0.6%と市場予想(+0.3%)を上回り、4カ月ぶりの高い伸び率となった。同時に発表された豪5月住宅建設許可件数も前月比+5.5%と予想(+1.6%)を大幅に上回った。豪中銀(RBA)が8月にも利上げするとの思惑から豪ドルが上昇した。
(2):ADP全国雇用者数は予想を下回る
米6月ADP全国雇用者数は15.0万人増と市場予想(16.5万人増)を下回り、前月(15.7万人増)から増加幅がやや縮小した。一方、これより前に発表された米6月チャレンジャー人員削減数は4.88万人で前月(6.38万人)から減少した。また、その後に発表された米新規失業保険申請件数は23.8万件と市場予想(23.5万件)を上回り前週(23.4万件)から増加した。
(3):ISM非製造業 コロナ禍以来の低水準
米6月ISM非製造業景況指数は48.8と市場予想(52.7)を下回り、コロナ禍だった2020年5月以来の低水準となった。構成指数も全般的に低下したが、中でも「新規受注」の低下が大きかったことから先行き不透明感が強まった。9月利下げ観測が高まり、ドルが急落した。
(4):株価上昇を好感してクロス円上昇
米連邦準備制度理事会(FRB)による9月利下げ観測が高まる中で、米国株が上昇。低金利の円を売る動きに加え、米6月ISM非製造業景況指数を受けてドルが売られたことも相まってクロス円が上値を伸ばした。直前に史上最高値を付けていたユーロ/円はやや伸び悩んだが、豪ドル/円が1991年以来33年ぶりの高値108.51円前後を付けたほか、ポンド/円は2008年以来16年ぶりに206.17円前後まで上伸した。
(5):FOMC議事録公表
FRBは6月11-12日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録を公表。参加者は「インフレ率はまだ高いものの、この数カ月間は鈍化傾向に緩やかな進展があった」との認識で一致したことがわかった。一方で、「インフレ率が予想より長く2%を上回るリスクがある」と指摘する参加者も複数いたことも明らかになった。その上で、参加者の全員が「新たなデータが持続的に2%目標に向かうという自信を与えるまでは利下げが適切だと判断しない」という認識を共有したとのこと。