毎年、新たに発売されるビジネス書は約6,000冊といわれています。いったいどの本を読めばいいのか、迷ってしまう方も多いでしょう。

このコーナーでは、読書家が集まる本の要約サービス「flier(フライヤー)」で注目されているおすすめの書籍をランキング形式でご紹介。さらにその中からアクセスの多かったトップ3の書籍について本文で詳しく見ていきます。

まずは2024年7月にビジネスパーソンから最も読まれた10冊の書籍の発表です!

1位:『賢い人のとにかく伝わる説明100式』(深谷百合子/かんき出版)
2位:『話し方の戦略』(千葉佳織/プレジデント社)
3位:『「よい説明」には型がある。』(犬塚壮志/日本経済新聞出版)
4位:『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』(野村裕之/ダイヤモンド社)
5位:『モヤモヤを言葉に変える「言語化」講座』(ひきたよしあき/PHP研究所)
6位:『疲労とはなにか』(近藤一博/講談社)
7位:『となりの億万長者が17時になったらやっていること』(嶋村吉洋/PHP研究所)
8位:『改訂版 お金は寝かせて増やしなさい』(水瀬ケンイチ/フォレスト出版)
9位:『読む・聞く、まとめる、言葉にする』(松尾美里/フォレスト出版)
10位:『頭がいい人のChatGPT&Copilotの使い方』(橋本大也/かんき出版)

※本の要約サービス「flier(フライヤー)」の有料会員を対象にした、2024年6月25日〜2024年7月24日の閲覧数ランキング

「観察すること」が説明上手への第一歩

伝わらないと悩む人に欠けている、観察力とは? 2024年7月に読まれたビジネス書トップ3
(画像=voyata/stock.adobe.com)

2024年7月の月間ランキング第1位は、『賢い人のとにかく伝わる説明100式』でした!
説明力を高めるには「観察すること」が第一歩だと本書には書かれています。観察することで、自分と相手との「差」と、相手の状況や求めていることを把握する。ここから「説明上手になる」というゴールに向かっていくのです。

「結論を先に伝える」というビジネスの基本があります。しかし、相手を観察するとそれが常に最善とは限らないと分かるはずです。たとえば打合せで2回目の参加者が変わっていた場合、「先日ご依頼いただいた見積額は、○○でして…」と話し始めると、場合によっては「何の話?」と相手を混乱させてしまうかもしれません。一方で、相手との「スタート地点」をきちんとそろえ、「前回の打合せでは、見積金額のご提示をご希望いただいておりましたので、本日ご報告させていただきます。金額は…」と話し始める。このように前提を共有することで、相手を迷子にしない伝わる説明をすることができます。

報告、連絡、相談、営業、プレゼンなど、幅広いシーンで使える「説明」のポイントを教えてくれる本書。一つ一つ、読み進めていくことでビジネスシーンに必須の「説明力」という武器を身につけられるはずです。

賢い人のとにかく伝わる説明100式
賢い人のとにかく伝わる説明100式
深谷百合子
出版社:かんき出版
発売日:2024年02月19日
ジャンル:スキルアップ・キャリア

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「話し方の戦略」をきちんと立てていますか?

第2位は、プレゼンやスピーチの場で使える「一生ものの思考と技術」を惜しみなく教えてくれる『話し方の戦略』です。

「重要なプレゼン」や「お祝いのスピーチ」を依頼された時、自身への信頼を喜ぶと共に、「自分につとまるかな…」と不安を感じたことがあるはずです。話し方トレーニングサービスを提供する株式会社カエカの代表であり著者の千葉佳織さんが、そうした読者に向けて、「言語化」「構成」「ストーリー」「ファクト」「レトリック」「発声」「沈黙」「身体表現」のノウハウを、それぞれ丁寧に解説してくれます。

数々の著名人のスピーチが解説されている点も魅力的な本書。第44代アメリカ合衆国大統領のバラク・オバマが自らの生い立ちを語ったスピーチから見る、自分にしかない「物語」で共感を呼ぶ「言葉」の戦略。元・AKB48の指原莉乃さんが語った、2015年の「選抜総選挙」で見事1位に返り咲いた際の壇上での努力や苦労が伝わる「弱みの開示」など。「だからこの人のスピーチは人の心を動かすのか…!」と、楽しみながら読み進められます。

人になにかを「話して伝える」にはどう考え、どういったスキルを身につけるべきなのか。本書を読み進めながら、あなたの話し方の戦略を立て直してみましょう!

話し方の戦略
話し方の戦略
千葉佳織
出版社:プレジデント社
発売日:2024年04月26日
ジャンル:スキルアップ・キャリア

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聴き手の“上の空”をなくすには、メリットを伝える

第3位は、『「よい説明」には型がある。』です。駿台予備学校の講師として長年「説明すること」を仕事にしてきた著者の犬塚壮志さんは、聴き手が思わず身を乗り出すような「よい説明」に必要なのは「型」であるといいます。

「メリット訴求」もその一つ。これは相手を「知らないゾーン」から「関係ゾーン」「自分ゾーン」へと移動させる、説明を聴くことのメリットを相手に伝える基本の型です。そのステップは4つ。

(1)聴き手が潜在的にもっている課題を話し手が言語化することで、問題や課題を自覚し自分ごと化してもらう
(2)すでに成果を上げた人の事例を紹介し、聴き手に具体的な成功のイメージを持ってもらう
(3)聴き手に安心感や信頼感を持ってもらうために、そのメリットを提示できる理由や根拠を伝える
(4)聴き手の行動を促す

ここまでのステップを聴き手にしっかりと提供できていれば、聴き手は行動をおこしたい気持ちでいっぱいになっているはずです。

他にも聴き手のストレスを軽減する「カットダウン」、理解度をアップする「対比」など、本書では11の「型」が詳細に紹介されています。巻末のそのまま使える「即効フレーズ集」もあなたの「説明」をすぐに底上げしてくれるはずです!

「よい説明」には型がある。
「よい説明」には型がある。
犬塚壮志
出版社:日本経済新聞出版
発売日:2024年02月01日
ジャンル:スキルアップ・キャリア

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いかがでしたか?

ランキングの上位を見てみると、今月は説明力や話し方に注目を集める読者の傾向がみえる結果となりました。どの書籍も決して難しい内容ではなく、明日から毎日を変えられるヒントがたくさんあるので、ぜひ試してみてください。

少しでもあなたに合いそうな1冊があればお手にとっていただければ幸いです。

来月はどういった書籍が読まれるのでしょうか。ぜひ皆様も予想してみてください。

flier編集部

本の要約サービス「flier(フライヤー)」は、「書店に並ぶ本の数が多すぎて、何を読めば良いか分からない」「立ち読みをしたり、書評を読んだりしただけでは、どんな内容の本なのか十分につかめない」というビジネスパーソンの悩みに答え、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されているほか、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。

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