買いどき?指数はトルコリラの上昇・下落のパワーを視覚化したものです。ミニマム(MIN)はポジション保有は慎重に、マックス(MAX)はポジション保有の好機、を表しています。現況のマーケットを俯瞰しての分析であり、投資の判断はご自身でおこなっていただけます様、お願いいたします。
高金利通貨であるトルコリラについて、中長期にわたり買いポジションを保有する場合に知っておきたい情報、投資を行う視点で、現在の市場を分析します。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
X:@gaitamesk_naka
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トルコリラ/円 上昇・下落のパワーバランス
トルコリラ/円をトレードするうえで重要となる経済指標やイベントを個別に点検します。
トルコ中銀は3月に政策金利を50.0%へ引き上げた後、5会合連続で金利を据え置いている。トルコ中銀は金融引き締めが遅れた影響を考慮して金利据え置きを決定。インフレの上振れリスクに対して慎重な姿勢を改めて示した。ただ、一部では年内利下げ観測が根強く残っている。次回会合は9月19日。
8月5日に発表されたトルコ7月消費者物価指数は前年比+61.78%で9カ月ぶりの水準へ低下した。5月(+75.45%)から2カ月連続でインフレの伸びは減速を示している。トルコ中銀の四半期報告では、2024年末のインフレ率を+38%と予測している。
イスラエルがパレスチナ自治区ガザへ攻撃を開始して以来、エルドアン大統領は親パレスチナ、親ハマスの姿勢を打ち出してきた。一時は戦争への介入を示唆したほどだ。中東情勢をめぐる不透明感が高まる中で、トルコへの積極的な投資が控えられる一因となっているようだ。
パワーバランス まとめ
トルコのインフレは前月から鈍化を示しているが依然として前年比+60%を超えている。こうした状況で中銀総裁が引き締め政策の維持を表明していることはポジティブ材料。ただし、政策金利からインフレ率を差し引いた実質金利は依然としてマイナス。一方で、エルドアン大統領が介入をほのめかすなど、親パレスチナの姿勢を示している。パレスチナ情勢を巡る中東の地政学的な不透明感はトルコリラの重しとなる。
トルコリラ/円、いまが買いどき?
トルコ中銀は3月に利上げを実施し政策金利は50.00%。インフレが鈍化の兆しを見せているが、実質金利は-11.78%でトルコ国外からの投資を呼び込みにくい状態が続く。中銀総裁は引き締め政策を維持する方針を示していることはポジティブ材料だが、一部市場では年内利下げ開始の見方も根強く残っている。エルドアン大統領のパレスチナに関する発言には引き続き注意が必要だろう。当面トルコリラ/円が大きく変われる要因は少なく、トルコリラは対米ドルなどで史上最安値を更新していることから、引き続き急落リスクのほうが大きいとみる。トルコリラに投資をするのであるなら、余裕を持った長期的な投資をお勧めする。
買いどき?指数はトルコリラの上昇・下落のパワーを視覚化したものです。ミニマム(MIN)はポジション保有は慎重に、マックス(MAX)はポジション保有の好機、を表しています。現況のマーケットを俯瞰しての分析であり、投資の判断はご自身でおこなっていただけます様、お願いいたします。