これまでの経歴や事業変遷
ーー只石さんのこれまでの経歴や、VALX誕生の経緯についてお聞かせください。
株式会社レバレッジ 代表取締役社長・只石 昌幸氏(以下、社名・氏名略) 私は38歳で空手を始めると同時に筋力トレーニングもスタートしたのですが、続かなくて悩んでいました。そこでパーソナルトレーナーをつけてトレーニングを再開したところ、筋肉がつき、試合にも勝てるようになったんです。これがパーソナルトレーナーの魅力に気づいたきっかけです。そこで日本で初めて、パーソナルトレーナーをマッチングするメディアを立ち上げ、フィットネス事業に参入しました。
その後、トレーナーたちと一緒に事業を進めていく中で、彼らから「プロテインを一緒に販売したい」という声が上がったんです。そこで市場調査をしたところ、90%以上のトレーナーが「山本義徳氏監修のプロテインを購入したい」と答えたため、山本氏に直接依頼し、VALXというブランドを立ち上げました。
ーーVALXが始まった当初の売上はどのくらいでしたか?
只石 VALXは2019年10月5日にスタートしました。驚くことに、初月から1億円を超える売上を記録し、事業は一気に軌道に乗りました。
ブレイクスルーとなった出来事、成長ドライバーについて
ーーVALXが急成長したポイントは何だと思いますか?
只石 プロテイン業界は成長市場でしたが、特に新型コロナウイルスの影響で筋トレブームが加速し、YouTubeなどのメディアが私たちにとって重要なツールとなりました。この時期に、VALXも急成長することができました。また、パーソナルトレーニングのマッチングビジネスで得た知見を活かし、プロテインという商材を活用したマーケティング戦略も成功の要因です。
さらに、私たちが広告に頼らず、SNSを活用したことも大きな要因です。広告費を抑えながら、SNSでの接触頻度を増やすことで、ブランド認知を高めることができました。
ーーその戦略が効果を発揮したのですね。貴社の成長を支えた他の要因は何でしょうか?
只石 失敗を恐れずに挑戦できる企業文化が大きな支えです。新しい取り組みがうまくいかなかったとしても、従業員が手を止めずに改善策を考え、すぐに実行に移すことができる環境があります。これが、成長の原動力だと思います。
PDCAを回す上で重要視していること
ーーPDCAサイクルを回す上で、どのような点を重要視していますか?
只石 私たちの会社では、PDCAが組織にしっかりと根付いています。プランを立てる際には、常に「一番を目指す」という目標を掲げています。一番を目指すことで、現状を打破する新しいアイデアが生まれると信じています。ただし、もし一番になれなくても、その過程で得られる発見や学びは非常に重要です。
実行に関しては、常に業務の質を向上させることを意識していますが、過去にはチェックが甘かった部分もありました。利益が出ない状態が続いたことに気づくのが遅れたこともありました。しかし、今ではチェックを徹底することで、問題が発生しても迅速に対応できる体制を整えています。また最後のアクションの部分をアジャストと呼んでおり、新たな施策を考え、調整することもこころがけています。
今後の経営・事業戦略や展望
ーー今後の経営や事業戦略についてお聞かせください。
只石 今後は、ブランド力を高めることに注力していきます。現在、私たちはAmazonや楽天などのモールや自社サイトを通じてプロテインを販売していますが、価格競争やスペック勝負に疲れてきました。今後はスターバックスやレッドブルのように、ブランド自体が人々の行動を変える力を持つ存在にしていきたいと思っています。
具体的には、VALXというブランドを見ただけで「自分も頑張れる」と感じてもらえるような存在にしたいです。私自身も、講演や取材の前にレッドブルを飲むことで気合が入ると信じています。同じように、VALXが人々に勇気や力を与えるブランドになることを目指しています。
ZUU onlineのユーザーに一言
ーー最後に、ZUU onlineのユーザーにメッセージをお願いします。
只石 30代、40代の経営者の皆さんにお伝えしたいのは、「広告や営業のような体力の消耗戦をやめて、もっとクリエイティブでグローバルなチャレンジをしませんか?」ということです。私たちも今、海外展開に力を入れており、アジア地域を中心に事業を拡大しています。日本市場が縮小していく中で、国内だけにとどまっていては未来がありません。ぜひ、海外市場にも目を向け、創造的な取り組みを進めていってほしいと思います。
クリエイティブな発想と、一番を目指すという意志があれば、どんな市場でも成功できると信じています。共に挑戦していきましょう。
- 氏名
- 只石 昌幸(ただいし まさゆき)
- 社名
- 株式会社レバレッジ
- 役職
- 代表取締役社長