ドライ路面での高い走行性能に加え、凍結路でも安心できるグリップ力を持つ、総合性能の高さが評判のネクセンタイヤのスタッドレスタイヤ「WINGUARD ice2(ウィンガードアイス2)」。今回は、カメライターとして全国をクルマで飛び回っている雪岡直樹さんの愛車 初代 スバル・レヴォーグに、ウィンガード アイス2を装着し、福島県・裏磐梯でその性能を徹底テストしました。ロケ当日は雪が降りしきるなか、市街地から山道、高速道路まで様々なシチュエーションで検証しましたが、果たして日本の雪道でも安心して走行することができるのでしょうか。文・写真:雪岡 直樹/編集:CarMe編集部※この記事には広告が含まれます
どんな場所にもマイカーで行く自動車系カメラマン
自動車系カメラマンの自分の場合、「どの季節でもどこまでも自分のクルマで現場に向かう」ということが大半です。
さまざまな現場で、どのような撮影が行われても対応できるように、多くの機材をマイカーに積んでいます。
イレギュラーな事態にも対応するため、なるべくなら自分のクルマで行きたいと思っているからです。
日常から雪山まで対応して欲しいスタッドレスタイヤ
12月ごろから3月ごろまで雪山で行われる撮影もなるべくならマイカーで行きたいと思っています。
そのためにスタッドレスタイヤは必需品です。
とはいえ雪道ばかり走っているわけではなく、雪道以外の都心部の一般道、現場に向かう高速道路の性能が非常に気になりますし、すぐにタイヤの寿命が来てしまうと経済的にも辛いため、耐摩耗性も非常に重要な要素です。
WINGUARD ice2の実力① サマータイヤと遜色ないケース剛性
今回スバルのレヴォーグに装着したネクセンの「WINGUARD ice2(ウィンガード アイス2)」は、サマータイヤから履き替えて一般道に出た瞬間、「これは本当にスタッドレスタイヤなのか?」と思えるほどのタイヤの剛性を感じられました。
交差点を曲がる時の安定感は、スタッドレスタイヤ特有のコンパウンドの柔らかさによるタイヤの変形はそれほど感じられず、しっかりとしたケース剛性を感じられます。
さらに静粛性も高く、コンフォートタイヤのような静けさ。
スタッドレスタイヤだとブロックが大きくなり、サイプも刻まれていることで路面との摩擦により生じる走行音が響いてくることが多いのですが、ウィンガード アイス2は大きな走行音は響いてきません。
高速道路においてもケース剛性の高さが感じられます。
東北自動車道で北上してみましたが、120km/h区間においても安心感が高い。
これはウィンガード アイス2が190km/hまで対応できる速度レンジのTを確保しているため。
国内で190km/hで走行する場面は無いですし、スタッドレスタイヤならなおさらです。
しかしスタッドレスタイヤでもそこまでの速度域に対応しているということを証明しています。
WINGUARD ice2の実力② ヨーロッパで鍛え上げられた性能の高さ
この速度域に対応していることや、ケース剛性がサマータイヤと遜色が無いというのには理由があります。
ミシュランタイヤ・コリアとしてミシュランの技術を取り入れる
ネクセンタイヤは1942年に創業し、1987年からミシュランタイヤ・コリアとしてmade in KOREA のミシュランタイヤを生産していました。
そのためヨーロッパ出身のタイヤの系譜となり、速度域の高いヨーロッパでも対応できる安全性、快適性を持つタイヤを作り始めます。
その技術が今でも役立っているのは言うまでもありません。
世界17の自動車メーカーが新車装着用タイヤとして採用
2000年にネクセンタイヤと社名を変更し、世界初のフルオートメーション工場を設立したり、2016年のJ.D.POWER社のタイヤ満足度調査で4位になっています。
ポルシェやフォルクスワーゲン、国産では三菱自動車など17の自動車メーカーの新車装着用タイヤとして採用されています。
これは、それらのメーカーの品質に対応できる技術力と、その多くのユーザーが満足している証拠です。
余談ながら、ネクセンタイヤはTOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cupというワンメイクレースにも参戦し、国内向けのモータースポーツ用タイヤの開発を行うなど常に挑戦を続けています。
WINGUARD ice2の実力③ 雪道での安心感は安全運転に繋がる
日本は湿度が高く重い雪のことが多く、雪が溶けて氷になっていくことも日常的です。
世界的に見ても他に似た環境がないため、日本で使われるスタッドレスタイヤというのは非常に特殊なタイヤとも言えます。
ネクセンタイヤは、そんな日本の事情を鑑みたスタッドレスタイヤを、しっかり開発し供給しているのが特徴です。
高速道路では降雪がなかったにも関わらず降りた瞬間に路面状況が一変し雪道になることは多くあることです。
今回も一般道に降りた瞬間に雪道に変わっていました。
アドバンスド・ソフトコンパウンドという低温域でも柔軟性を失わず、高温域ではゴムの剛性を保つ特殊なコンパウンドを採用していることで、高速道路の高温域での安定性を感じさせ、一般道の低温域の安心感に繋がります。
ゲレンデなどに向かう時は山道を登っていくことになり、当然コーナリングを多く行います。
従来型の垂直サイプではゴムのしなやかさと相まって荷重がかかるとブロックがよれてしまい、コーナリングの安定性が損なわれてしまいます。
しかしウィンガード アイス2は荷重がかかった際に、隣り合うサイプ同士が噛み合うことでブロックの倒れ込みを防ぎ、ブロック剛性を保つ3Dサイプを採用していることでコーナリング時の安定性が高く、これが市街地での安心感のもとだった。ということを改めて体感しました。
一般道の圧雪路になってもこのブロック剛性の高い3Dサイプのおかげでグリップ力も高く、直進路はもちろん交差点でのコーナリングも安心して走れます。
さまざまな状況が目まぐるしく登場する街中での安心感が高いというのが何より大事です。
ウィンガード アイス2は非対称のトレッドパターンを採用し、イン側に雪上でトラクション性能を発揮する横溝を採用。
アウト側には剛性の高い大きなブロックを採用したことでコーナリング性能とグリップ力を発揮します。
水幕を破るマイクロサイプとブロックのへりをノコギリ歯状(ソー)にすることで氷や雪を噛む作りになっています。
マルチディレクショナルグルーブを採用したことで力強いグリップ力を発揮。
実際、雪道を走る時でもしっかり雪を掴みトラクション性能が高いことがわかります。
ワインディングで山の影の部分に凍っている路面が急に現れるということはよくあることです。
その時もタイヤから『凍っている』というインフォメーションを受け取ることができます。
そのインフォメーションにあわせてステアリング操作を行えば、ヒヤッとすることもなく平然と走り抜けられます。
長年クルマに乗っていると、さまざまなメーカーのスタッドレスタイヤを装着したことがありますが、このウィンガード アイス2のグリップ力やコーナリングでの安定性は遜色ありません。
柔らかさにこだわった製品やサイプを多く刻んだ製品もありますが、それらは全体的にタイヤが柔らかい印象になり、腰砕け感を誘ってしまうこともありますが、ウィンガード アイス2はケース剛性や3Dサイプの性能の高さにより安定感が損なわれていません。
日本のタイヤメーカーに比べて輸入スタッドレスタイヤは日本の雪道には弱いという印象を持っているかたもいるかもしれませんが、不安を感じさせない性能があります。
WINGUARD ice2の実力④ 雪上占有コースのブレーキングテスト・定常円旋回では安定した操作性
今回は福島県 裏磐梯のグランデコスキー場の一角を占有させてもらい、定常円旋回、急発進・急ブレーキなど一般道では体験できない操作をしました。
定常円旋回では非対称トレッドパターンやマイクロサイプ、ソー・マイクロエッジのおかげで安定した定常円が描けます。
このことが一般道でのコーナリングに役立っていることを確認できました。
また急発進や急ブレーキは一般道ではなるべくしたくない操作です。
そのため今回のような占有できる場所があると思い切り体験できます。
テスト車がスバル・レヴォーグという4WD車両だったこともありますが、急発進では4輪にトラクションをかけスムーズに発進ができたあと、安定感のある走りを見せます。
2輪駆動であっても安心感は変わらないでしょう。
急ブレーキに関してもしっかりとした制動が得られます。
完全結氷のような路面は今回試すことができませんでしたが、山の影で凍っているような路面でのブレーキ性能も高く、安心してブレーキを踏むことができました。
もちろん圧雪路でもグリップ力と排水・排雪性が高いこともあり不安なく止まれることができたのは言うまでもありません。
スバルの4WD車両に乗っていると、スタッドレスタイヤさえ装着していればどんな路面でも行けてしまうという錯覚に陥ってしまいがちです。
4WDだから大丈夫ということではなく、しっかりとした性能を持つスタッドレスタイヤを装着するからこそ、どこまでも行ける走破性が得られるものと改めて実感しました。
ドライの一般道や高速道路、雪のワインディングでの走りの良さという総合的な安心感の高さを感じられました。
ウィンガード アイス2なら不安なく雪道に行けます。
もちろん2WDの車両であっても安心感は変わらないものと思えます。
裏磐梯にはこの撮影も含めて2回ほど都内から向かいました。
1往復で600km近く走り、2往復して1200km以上。
そして他の撮影などでもウィンガード アイス2を装着したまま走行を続けており、交換後からかなりの距離を走っていますが、表面が削られてしまった感触はありません。
つまりそれだけ耐摩耗性も高いということです。
これならお財布にも優しいかもしれません。
この冬にスタッドレスタイヤに交換を予定している人は、ぜひともネクセンタイヤをチョイスしてみるのも良いかもしれませんね。