本記事は、加藤俊徳氏の著書『老害脳』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の中から一部を抜粋・編集しています。
「老害脳」に接したとき、人が取り得る手段とは?
私たちはそれぞれ、基本的に1人の人間です。社会的な存在でもありますが、基本的には1人で自らの行動を考え、律しながら日々を生きていることは疑いようがありません。
どんな人生を歩み、どんなものに価値を認め、何を無駄なものと考えるか。そして、それぞれの判断に責任を負いながら人生を送っています。
つまり、自分の考えは自分のために使っているわけです。社会や周囲に合わせるよりも自分のやり方で判断して行動したほうが自分の価値を発揮しやすい、とも言えます。
人と同じような道を進むよりも、誰もやったことのない方向に進んだほうが価値は高く、社会に還元、貢献できる度合いを高められる、というわけです。
ただし、「老害」と呼ばれる人たちが社会に存在する以上、どちらの道に進んでも攻撃は受けるでしょう。人と同じ道を進み、世の中は結局大同小異だと捉え、目立たないとしてもはずれのない方向を選ぶなら、現在の日本社会では、権力を持っている「老害」たちの影響をある程度は甘んじて受けなければいけないかもしれません。彼らに服従することで、既存の価値観の中でポジションを上げていくことが許されるからです。
一方で、鶏口牛後、他人の視線や批判をものともせず、自分で考えて我が道をどんどん進んでいく人生の場合でも、やはり「老害」の攻撃は避けられないでしょう。
なぜなら、それは「老害」と化してしまった人たちの権力構造を否定的に捉え、ときとして真っ正面から挑戦を挑む行為だと思われかねないからです。それは、今権力を持っている「老害」の人々にとっては、脅威となってしまいます。
少し、一般化を試みましょう。人は「老害」の攻撃に直面したとき、いくつかの取り得る手段があります。「老害脳」は9つのタイプに分類することができ、それぞれのタイプに対して対策を講じることで、防衛することが可能です。
たとえば、
- できるだけ傷つかないように身を守る
- 自分の状況を冷静に把握し、客観視する
- 相手の行動を理解し、効果的に対応する
- そのコミュニティーを離脱する
など、詳細は当書の中で説明しております。
個人的には、いったんは緊急避難的に身を守ることもよいのですが、態勢を立て直せたら、ぜひ立ち向かい、自分の道を生きることを強くおすすめします。そして、中年期のジレンマには注意しつつ、自らの道を進む人が増えれば増えるほど、結果として世の中の「老害」が減っていく方向に向かえるのではないかと思います。
14歳のときに「脳を鍛える方法」を知るために医学部への進学を決意。1991年、現在、世界700カ所以上の施設で使われる脳活動計測「fNIRS(エフニルス)」法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科でアルツハイマー病やMRI脳画像の研究に従事。ADHD、コミュニケーション障害など発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。帰国後、帰国後、慶應義塾大学、東京大学などで脳研究に従事し、「脳の学校」(https://www.nonogakko.com/ )を創業。
現在、港区白金台に「加藤プラチナクリニック」を開設し、独自開発した加藤式MRI脳画像診断法を用いて、強み弱みなどの脳個性や脳タイプ、適職を診断し、薬だけに頼らない脳処方を行う。
著書・監修書の累計は300万部を超え、『頭がよくなる! はじめての寝るまえ1分おんどく』(西東社)、『1日1文読むだけで記憶力が上がる!おとなの音読』(きずな出版)、『1万人の脳を見た名医が教えるすごい左利き』(ダイヤモンド社)、『一生頭がよくなり続けるすごい脳の使い方』(サンマーク出版)など多数。*著者による脳画像診断を希望される方は、加藤プラチナクリニック(https://www.nobanchi.com/ )までご連絡ください。※画像をクリックするとAmazonに飛びます。