この記事は2024年12月11日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=MaxSafaniuk/stock.adobe.com)

2024年12月11日(水)の午前11時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

今週から中央銀行週間がスタートする。発表順に並べると以下の通り。

11日(水)=カナダ中銀
12日(木)=SNBとECB

まずカナダ中銀について。カナダ中銀の政策金利のコンセンサスは利下げだが、その下げ幅で意見が分かれている。25bpではなく、50bpの利下げ予想が増えている。50bpの利下げ幅はかなり大きいため要注意。

そしてSNB。グローバルに貿易摩擦の激化とトランプ政権による関税の拡大から、ユーロ/スイスフランはじり高に推移している。ただSNBはインフレ率が上昇しないかぎり通貨高は抑制したいというスタンスであるため、今回は25bpの利下げがコンセンサス。ただ、50bpの利下げを予想する向きもあり、この場合はスイスフラン安へ。しかしECBも連続利下げが予想されているため、ユーロ/スイスフランが反発したところは売り場になると想定している。

最後は注目のECB。ドイツやフランスの政治的混乱、ドイツ経済の失速から、ECBは連続利下げで対処するといわれている。今回の利下げ幅は25bp(誘導目標金利は3.00%へ)。ただJPモルガンのチームが50bpの利下げを予測していることもあり、今週のECBは要注目。

現在の為替相場の戦略やスタンス

総じて見れば、多くの主要中銀は連続利下げが予想されており、発表次第では、ユーロ/米ドルを中心にドル高に転じるのではないかと想定している。ECB理事会に注目したい。

▽ユーロ/米ドル 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。