本記事は、野呂 エイシロウ氏の著書『道ばたの石ころ どうやって売るか? 頭のいい人がやっている「視点を変える」思考法』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。

道ばたの石ころ どうやって売るか? 頭のいい人がやっている「視点を変える」思考法
(画像=H_Ko/stock.adobe.com)

なぜ刑事ドラマでホワイトボードに写真を貼るのか?

よく刑事ドラマで捜査本部が、被害者の写真を黒板やホワイトボードにベタベタ貼っているシーンを見かけますよね。
なぜ、そんなことをするのかといえば、全体を俯瞰して見られるからです。写真を並べてみると「Aという人物と、Bという人物の間にどんな関連があるのだろう」といった疑問や、「この出来事とあの出来事はつながっているのかも」といったひらめきや、新たな気づきにつながります。
このように、「俯瞰して見る」だけで、視点が変わって、新たな発見があります

例えば、あなたが田んぼのそばに立っていたとします。地面から田んぼを見ても、ただ稲が風にそよいでいる様子しか分かりません。しかし、少し高いところに登って、田んぼを俯瞰して見ると、驚くことに田んぼのなかにアニメのキャラクターが浮かんで見えるじゃありませんか。
そう、その田んぼにはいわゆる「田んぼアート」があったのです。横から見たら、稲の一部が倒れているのが分かるかもしれませんが、それが何を意味するのかまでは分かりません。全体を俯瞰して初めて、理解できます。

さまざまな情報をインプットしただけでも、視点は変えやすくなりますが、それだけで終わらず、課題解決のために情報を俯瞰して見て、分析していくことが大事です

そのために欠かせないアイテムが「ホワイトボード」です。
よく会議を効率的に進めるためにホワイトボードを使っているという会社は多いと思います。私も会社でホワイトボードを使っています。
ホワイトボードの重要性については、企画した本が1400万部を突破した名編集者、柿内尚文さんの著書『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』(かんき出版)のなかでも触れられています。
柿内さんによると、ミーティングでホワイトボードに参加者の意見を書いていくことで、出てきた意見が見える化し、全体像を見ながら議論ができます。ホワイトボードがないと、どうしても各自が思いつきで発言し、一番いい思いつきが選ばれるということになりがちです。
ホワイトボードを使うことで、ミーティングのゴール(目的)と課題感をホワイトボードに書いて、それを参加者全員が見ながら議論をするので話がぶれることもないですし、誰かが発言した解決案も書いて全員で共有しながら議論をすれば、案が思いつきで終わらずどんどん発展し、連想ゲーム的にいろんな意見が出て、考えを深めることができますし、完成度の高いアイデアができます。

つまり、ホワイトボードを使って視点を広げるのです。
例えば、「猫」を使って何か販促に使えないだろうかと考えるとします。ホワイトボードに「猫(ネコ)」と書いたら、そこから連想するものをどんどん書き出していきます。
「種類」「日本猫と海外猫」「特別天然記念物の猫」「猫の歴史(進化)」「行動」「野生猫とペット猫」「食べ物」など、いわゆる猫の属性が思いつきます。販促に広げるなら「猫市場」「猫のCM」「猫動画」「猫キャラ」「猫のインフルエンサー」「猫好き有名人」など、思いついたことをどんどん書いていきます。
さらに、自分の知る「猫好きな人」「猫好きな会社の人」「猫好きな取引先の人」など、あとで直接リサーチできそうな人にも広げていくことができます。
もうこれだけでホワイトボードはいっぱいになっているはずです。

これは、1人会議でも同じです。何もないところで考えても、頭の中がぐるぐる回って煮つまって、いいアイデアに結びつきません。自分の頭の中を、いったんホワイトボードに書き出して、見える化しながら考えると、アイデアが出やすくなります。
また、ホワイトボードは人それぞれカスタマイズできると思います。付せんに書いてそれをベタベタ貼りつけていくという方法もあるでしょう。付せんを貼りつけていって全体を眺めながら関連するものをまとめていくといったこともできます。
ペンを3色くらい使って、つなげたり分解していったりしたものを色分けしていくこともできますし、図化したりアイコン化したりするのが得意な人は自由に描いていってもいいでしょう。
可能なら、そんなに大きくなくていいのでホワイトボードを家に置いて、自由な発想をしていくことで、あなたの頭の中がどんどん活性化していきますよ。
さらにさらに、ホワイトボードはメモ帳としても使えます
これからインプットしようと思ったことをホワイトボードに残しておけば、常に目にするので忘れません。それをノートにメモしておくと開かないかぎりそのまま忘れてしまうことも。しかも、ホワイトボードにずっとメモしたままであれば、たいしたことではなかったと消せばいいだけです。
会議の席ではよく見られる光景ですが、ホワイトボードの内容を写メすればメモ時間の節約になります。
インプットしようと思ったことや思いついたものをサッと書いておけば、後でノートに整理するにしてもまとめやすく、その分、時間短縮になります。また、ホワイトボードに展開していったものを写メで保存しておけば簡単です。

道ばたの石ころ どうやって売るか? 頭のいい人がやっている「視点を変える」思考法
野呂 エイシロウ
1967年愛知県生まれ。愛知工業大学卒。放送作家・戦略的PRコンサルタント。
『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』で放送作家デビュー。『ザ!鉄腕!DASH!!』『奇跡体験!アンビリバボー』『ズームイン!!SUPER』などにたずさわる。常に「面白い企画」を求められる状況に身を置いた経験から、独自の「視点を変える」思考法を編み出す。放送作家と並行して“戦略的PRコンサルタント"として活動中。一部上場企業をはじめ、数多くのクライアントの課題解決をサポートしている。
道ばたの石ころ どうやって売るか? 頭のいい人がやっている「視点を変える」思考法
  1. 本当に頭がいい人は「普通の意見」を言わない
  2. 「普通のことしか言えない」人の頭の中
  3. 頭のいい人は「手段」よりも「目的」を意識する
  4. 普段から「コレ」をやれば視点を変えられる
  5. 視点がすぐに切り替わるテクニック
  6. 視点が変わると生き方が変わる
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