本記事は、松田幸之助氏、吉川充秀氏の著書『ヤバいくらい成果が出る人財教育の仕組み化』(あさ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

最速・最短で成果が出る 業績方程式
■ 「戦略確率×実行確率」を分解する
株式会社プリマベーラは群馬県に本社を構え、北関東を中心に4事業部18業態52店舗を展開している多角化企業です。
おかげさまで現在売上高51億円。経常利益5億円。
15期連続増収増益を達成しながらも、正社員離職率は5年平均で1%未満を達成しています。
なぜプリマベーラは、増収増益という「成果」を出し続けることができのか。それは、私たちが「独自の業績方程式」を持っているからです。
それが
「戦略確率×実行確率」
です。
社長が考える戦略がどんなに素晴らしくても現場が実行してくれなければ成果は出ない。逆に現場がどんなに実行しても戦略がイマイチだと成果が出ない。
とってもシンプルですが、パワフルな方程式だと私たちは思っています。
とはいえ「戦略確率」と「実行確率」はどちらも大きなテーマであり、ただ意識するだけではそれぞれを高めることはできません。
そこで、私たちは戦略確率を「報告と決定」、実行確率を「実施とチェック」と定義しました。
■ 「報告と決定」が戦略確率を、「実施とチェック」が実行確率を高める
戦略を決めるには、まず情報が必要です。
特に重要なのが「現場からの報告」です。
お客様の声やライバルの動向、業務の効率化に関する改善提案など、成果を出すには「現場の生の声」が欠かせません。
現場の声を参考にしない意思決定と、現場の声をもとにした意思決定とでは、戦略の精度に大きな差が生じます。
また、限られた3つの情報をもとに決めた戦略と、10個の情報をもとに意思決定した戦略とでは、当然「戦略確率」に違いが生まれます。
すなわち「報告の質と量、それに基づく決定」こそが戦略確率を高める要素だと私たちは考えています。

しかし、どんなに優れた戦略を意思決定したとしても、それが実行されなければ成果にはつながりません。
そこで私たちは、マニュアルやチェックリストといったさまざまな「実施しやすい仕組み」を構築しています。
また、「実施してください」と社員にお願いするだけでは、残念ながら実行確率は上がりません。
だからこそ、私たちは必ず「チェック」を行います。
「報告と決定」で戦略確率を高める。
「実施とチェック」で実行確率を高める。
このような仕組みをつくることで、成果が出る戦略が決まり、それが確実に実行される環境を整えているのです。

1989年生まれ。市川市立平田小学校卒業。家庭が貧しく13歳から働いて生計を立て、19歳で株式会社プリマベーラにアルバイト入社。アルバイトから、年商51億円企業のトップコンサルタントに上り詰める。延べ400社、10,000名以上の社長、幹部に経営指導を行い、業績アップを実現。経営者・幹部目線でのアドバイスはわかりやすく、実践しやすいと高く評価されている。指導先には日本経営品質賞を受賞するトップ企業も含まれる。
著書にベストセラー『ヤバい仕組み化』(共著、あさ出版)。
1973年、群馬県生まれ。横浜国立大学卒業後、地元のスーパーに入社。24歳でビデオショップを開業し、26歳で高額納税者に。2008年、株式会社武蔵野の小山昇氏の実践経営塾に入会。先輩社長から「スピード違反」と言われながらも、爆速で経営の仕組み化を進め、入会後1年2ヶ月という史上最速で改善事例発表企業に選出される。以降、経営計画のチェック講師を10年間歴任し、延べ2,000人の社長の経営計画を指導。2022年、小山昇氏が認定する、受講料176万円の実践経営塾の講師の7人のうちの1人に選ばれる。2023に代表取締役を退任し、現職。2025年3月現在、プリマベーラは従業員数400名、4事業部18業態52店舗を展開し、年商51億円。15期連続増収増益を更新中。ライフワークはゴミ拾いであり「ゴミ拾い仙人」としてメディア出演、講演活動多数。著書に『ゴミ拾いをすると、人生に魔法がかかるかも♪』『ヤバい仕組み化』(共著)(いずれも、あさ出版)、『自分で自分の機嫌をとる習慣♪』(かや書房)。
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