本記事は、松田幸之助氏、吉川充秀氏の著書『ヤバいくらい成果が出る人財教育の仕組み化』(あさ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

マネジメントとは実行確率を上げること
■ 管理職の仕事は部下の実行確率を最大化すること
メインテーマは、マネジメント方程式「業績=スキル×モチベーション×ベクトル」です。
まず、マネジメントの定義を明確にします。一言で「マネジメント」と言っても、会社や人によってその捉え方は異なるでしょう。そこで、私たちは「ベクトル用語集」という道具を活用し、言葉の定義を揃えて、価値観を統一する仕組みを導入しています。
このベクトル用語集には、マネジメントの定義が4つ書かれていますが、私たちが最も重視しているのは、
「マネジメントとは実行確率を上げること」
です。
そもそもなぜ、会社組織には、管理職やリーダーが存在するのでしょうか? それは、現場での実行確率を高めるためです。
理想は、管理職が不在でも高い実行確率を維持できる組織です。しかし、決定サイクルでも述べたように、人は「チェック」されないと実行することが難しい生き物です。だからこそ、管理職は適切に「チェック」を行い、さらにマネジメント方程式の各要素(スキル、モチベーション、ベクトル)を高めるための取り組みをすることが重要です。これこそが、実行確率を最大化するマネジメントであり、管理職の本来の仕事だと私たちは考えています。

そのため、プリマベーラでは部下の「実行確率」が低いリーダーの評価が下がる仕組みを導入しています。リーダーが存在していながら、部下の実行確率が低い場合、それはリーダーとしての役割を果たせていないことを意味するからです。
また、部下の実行確率は「数字で可視化」されているため、嘘や言い訳は通用しません。これにより、リーダーの「マネジメント能力」が数値化され、可視化される仕組みが整っているのです。


岡山県で社会福祉法人22事業所、医療法人10事業所を展開する、OHJIグループの
「今まで物静かでスポットライトが当たらなかった人が、仕組み化を導入して実行確率が可視化されたことで、すさまじい期限内実行率であることが判明しました。それを賞賛、承認することで、楽しそうに仕事をするようになりました。周りからも認められ、以前はネガティブな発言も見られたりしていましたが、『どうすればできるのか』と前向きに取り組むようになり、法人内にいい影響力を及ぼす職員に育っています」(胡谷俊樹代表)頑張っている人に感化されて、同じ方向を向く職員が増え、他の職員も自然とつられてグループ内に「頑張る風土」ができつつあるそうです。

1989年生まれ。市川市立平田小学校卒業。家庭が貧しく13歳から働いて生計を立て、19歳で株式会社プリマベーラにアルバイト入社。アルバイトから、年商51億円企業のトップコンサルタントに上り詰める。延べ400社、10,000名以上の社長、幹部に経営指導を行い、業績アップを実現。経営者・幹部目線でのアドバイスはわかりやすく、実践しやすいと高く評価されている。指導先には日本経営品質賞を受賞するトップ企業も含まれる。
著書にベストセラー『ヤバい仕組み化』(共著、あさ出版)。
1973年、群馬県生まれ。横浜国立大学卒業後、地元のスーパーに入社。24歳でビデオショップを開業し、26歳で高額納税者に。2008年、株式会社武蔵野の小山昇氏の実践経営塾に入会。先輩社長から「スピード違反」と言われながらも、爆速で経営の仕組み化を進め、入会後1年2ヶ月という史上最速で改善事例発表企業に選出される。以降、経営計画のチェック講師を10年間歴任し、延べ2,000人の社長の経営計画を指導。2022年、小山昇氏が認定する、受講料176万円の実践経営塾の講師の7人のうちの1人に選ばれる。2023に代表取締役を退任し、現職。2025年3月現在、プリマベーラは従業員数400名、4事業部18業態52店舗を展開し、年商51億円。15期連続増収増益を更新中。ライフワークはゴミ拾いであり「ゴミ拾い仙人」としてメディア出演、講演活動多数。著書に『ゴミ拾いをすると、人生に魔法がかかるかも♪』『ヤバい仕組み化』(共著)(いずれも、あさ出版)、『自分で自分の機嫌をとる習慣♪』(かや書房)。
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