2000億円買収で再エネ分野に本格展開
建設業界では持ち株会社を設立する例はあまりない。新生・インフロニアとして最初の一手は2022年、海洋土木大手で20%を出資していた東洋建設の買収。
約580億円を投じる大型案件だったが、任天堂創業家の資産運用会社が対抗買収者として出現する予期しない展開となり、TOB(株式公開買い付け)不成立の苦渋を味わった。
次に照準を合わせたのが風力発電最大手の日本風力開発。2024年1月、米投資ファンドのベインキャピタルから約2030億円で買収した。インフロニアの当時の時価総額の約半分に相当する巨費で、同社はもちろん、建設業界全体を見回しても過去最大のM&Aだった。
資金面を含めてプロジェクトの上流から下流までインフラ全般の運営推進にかかわることを成長戦略の柱と位置付ける中で、ターゲットの1つが再生可能エネルギー分野。
失敗に終わった東洋建設の買収に乗り出したのも海上分野の技術・ノウハウを取り込み、港湾インフラのコンセッション事業や、洋上風力発電などの再生可能エネルギー事業の展開に弾みをつけるのがそもそもの目的だ。
三井住友建設を取り込み、大手5社の背中も
そして昨年9月には同業の準大手ゼネコン、三井住友建設をTOBで子会社化した(12月に完全子会社化)。買収総額は940億円。
三井住友建設は大型マンション建築、コンクリート橋梁、アジアでのODA(政府開発援助)工事などを強みとする。同社の子会社化により、異なる得意分野を補完し、あらゆるインフラ分野で競争力の強化などを目指している。
2025年3月期の売上高はインフロニア8475億円、三井住友建設4630億円。両社合わせて1.3兆円と、スーパーゼネコンと呼ばれる鹿島、大林組、清水建設、大成建設、竹中工務店の大手5社に次ぐ規模で、準大手勢では断トツだ。
実は、主要ゼネコン同士のM&Aは2013年、ハザマと安藤建設が合併し、「安藤ハザマ」を発足して以来12年ぶり。
これに触発されるかのように昨年は、大成建設がインフロニアが取り逃がす形となっていた東洋建設を1600億円で傘下に収めたことが記憶に新しい(買収発表はインフロニア5月、大成建設8月)。
「インフラ運営」の売上比率は3%程度
インフロニアの2026年3月期業績(国際会計基準)は32.7%増の1兆1248億円、営業利益60.8%増の758億円。同社発足直後の22年3月期に比べると、一連の大型買収で売上高は6割以上膨らんだ。
では部門別の売上高構成はどうか。建築4977億円、土木2650億円、舗装2822億円、機械395億円、インフラ運営319億円、その他30億円。このうちインフラ運営の売上比率は3%程度にとどまるが、利益貢献額は約51億円という。