金融政策への影響は?

次に、金融政策への影響であるが、長期金利の水準が低いまま続けば、金融緩和の解除が遅れ、財政ファイナンスと意識されるようになる。そうすると日銀に対する信認が薄れ、一気に金利を急騰させるおそれがある。金融緩和政策は、導入は簡単なものの出口戦略が難しく、それを誤ると経済は大混乱に陥る。だからこそ、アメリカの利上げについてもイエレン議長は慎重な姿勢をみせている。

金融緩和は本来、経済の調整的役割を果たすものであるが、異次元金融緩和は、調整という枠を超えて、劇薬で幻覚を見させる、あるいは、麻酔で意識がもうろうとしてよくわからない状態を作っているようなものである。この薬が効いている間に経済を立て直し、薬を徐々に減らしてくことが重要なのである。ところが、これが長期化すると、体を壊してしまう。つまり、日本経済に深刻な影響がでてしまう。


安倍政権、求められる一歩進んだ経済対策

日銀としては、出来るだけ早く金融緩和を終了したいので、執刀医である安倍総理に早く、抜本的な手術をして欲しいと望んでいるところであるが、残念ながら、目を引くような第三の矢の話は聞かない。相変わらず、補正予算を組んで公共工事というおきまりのパターンである。農協の改革は一歩前進とは思うが、他に目新しい改革は見えない。選挙が終わり当面は選挙の心配はいらないのだから、もう一歩踏み込んだ規制改革と経済対策を期待したいところである。

(ZUU online)

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