一部の設備を変えるだけのものから、家の構造やシステムを大幅に変える大がかりなものまで、一概にリフォームと言っても工期や費用は大きく異なる。リフォームする場所や種類によって、費用などはどのくらい変わるのだろうか。
リフォームにはいくら費用がかかるか？
リフォームする場所や度合いによって、費用は大幅に変動する。HOME’Sの調査によるとマンションでは700万円～1000万円、戸建て住宅では1000万円～1500万円が最も多い価格帯であった。
また、建物の専有面積における費用を見て見ると、1平米当たり10万円から15万円が最も多いリフォームの価格帯となっている。
既存の構造を活かして工事を行うのか、また、設備をどの程度再利用するかによっても費用に大きく差が出るので、ひとくくりにして述べるのは難しいといえる。
リフォーム費用の目安
自分が希望するリフォームはどの程度の費用がかかるのか、目安を把握しておくことで、具体的なプランも立てやすくなる。大まかな基準を知っておくのが大切だ。
キッチン
食事は家族の健康を守るためにも重要なものだ。その食事を作るキッチンを便利にすることで、生活が飛躍的に向上するのは想像できるだろう。
料理が楽しくなりそうなアイランドキッチンに替えるなら150万円前後、システムキッチンを取り替えるには国産のものなら50万円、輸入のものなら200万円程度かかることもある。
IHクッキングヒーターを導入するのは10万円程度で可能だが、オール電化にした上でクッキングヒーターを導入すると、給湯設備などもすべて電気利用のものに替える必要がでるため50万円ほどが必要となる。
浴室
浴槽のみの交換であれば50万円以下でリフォームが可能だが、ユニットバス全体を変える場合は200万円前後を見ておこう。どちらの場合も1週間程度で工事は完了する。
また、ユニットバスでない浴室をユニットバス方式にする場合は、取り壊し工事がプラスされるので、価格は30万円ほど上乗せになり、工期も2週間ほどかかることもある。
トイレ
便座をシャワー機能付きのものに交換するだけであれば1日で完了し、費用も10万円前後ですむ。だが、便器自体を交換するとなると20万円～50万円ほどかかり、床などにも手を加えるので2～3日を要することになる。
和式から洋式トイレに替える場合は、電気の配線工事も必要になるので、さらに10万円ほどプラスになる。特に高齢者のいる家庭などは、足腰に負担のかからない洋式トイレへの変更は、生活の質を保つ上でも取り入れたいことだ。
リビング
リビングの床材を交換するだけなら20万円～50万円ほどが一般的だが、同時に床暖房を取り入れる場合、電気式・ガス式に関わらず40万円～80万円ほど追加となる。
また、隣接する部屋と合わせて大きな空間にする場合は、構造がどのようになっているか、また壁や天井の材質によっても大きく価格が変化するため、120万円～1000万円ほど必要だ。
床暖房の設置や面積を広くすることにより、リビングを家族が集まる空間へと変えることができる。そのためリビングのリフォームは人気も需要も大きい。工期は床暖房だけなら1日で終わることもあるが、壁を抜く場合は1カ月以上かかることもある。
太陽光発電
自分の家で発電した電気を自分の家で消費することができる太陽光発電システムは、最近特に人気の設備だ。使用する以上に発電した余剰電力の買い取り制度などもあり、収益につながる可能性がメリットとなる。
この太陽光発電、一般的な家庭の場合150万円～250万円で設置することが可能だ。工期は3日間と、比較的簡単にできることも魅力である。
また太陽光発電のメリットを最大限に生かすため、オール電化の工事と一緒に行うことも多い。この場合は、給湯器やIHクッキングヒーターなどの値段も含めて300万円～350万円ほどかかる。
二酸化炭素を排出しないエコでクリーンなエネルギーを生むことで、環境問題にも貢献することもできる。
外装
壁の塗り替えは80万円程度で行うことができるが、壁材の張り替えの場合は150万円以上を見ておきたい。塗り替えは3日程度で完了するが、張り替えの場合は1カ月ほどかかる場合もある。屋根も塗り替えのみであれば30万円前後だが、葺き替えの場合は100万円から200万円ほど必要となり、工期も3カ月ほどかかる。
外装は家の印象を大きく変えるものなので、お金の掛けがいのある場所だともいえよう。塀や垣なども新しくすれば、家を新築同然に見せることも可能なのだから。
リフォームすることで、不便を感じていた、機能が古くなってきた家を、長く利用できるようになるのは非常に大きなメリットである。家族の希望などを取り入れながら直すことで、新築の時以上に満足の高い家もできあがるかもしれない。
家族が集う家を、さらに便利に、長く住み続けていく場所にするために、リフォームについて家族みんなで話し合ってみてはいかがだろうか。
