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不動産ミニバブルの崩壊以降、冬の時代を経験し、アベノミクスによって復活を遂げたJ-REITであるが、今後も、成長を続けるのだろうか。主要国のREIT動向と合わせて、今後のマーケット動向を考えていきたいと思う。


米国REITは短期的に調整の可能性も、上昇トレンド継続

まず、米国REIT市場にについて見ていく。2014年後半は、原油先物価格の下落を受けインフレ圧力が弱まるとの見方から債券が買われた。米10年債利回りが低下したことから相対的に高金利と言えるREITに投資家の関心が向かったことで上昇傾向が続いている。しかしながら、FRB(米国連邦準備制度理事会)は、2014年10月末にQE3(量的金融緩和第3弾)を終了させ、12月のFOMC(連邦公開市場委員会)声明では、「相当の期間」にわたりゼロ金利に据え置くとしていた公約を、「辛抱強くなれる」という文言へ上方修正させた。

2015年に入ると、市場では、良好な経済指標や要人発言から早期利上げ観測が出ており、ゼロ金利政策解除による金利上昇は、国債とREIT間の金利差縮小につながるため、短期的には調整局面となる可能性もあるだろう。もっとも、米国経済の正常化は長期的な視点ではREIT市場にとってもプラスとなるため、上昇トレンドは継続と考えて良いのではないだろうか。


欧州REITは強気継続

欧州REIT市場も米国同様、昨年末からの原油先物価格下落から世界経済に対する不透明感が強まり、総選挙を実施し、野党である急進左派連合が勝利したギリシャの政治不安など、上値を抑える要因があった。しかしながら、世界情勢不安により債券は買われ、ドイツの10年債利回りが史上最低水準を更新するなど、欧州主要国の長期金利低下により、相対的に高金利なREIT市場に資金が流入し、上昇している。欧州においては、ECB(欧州中央銀行)が量的金融緩和を行うなど、今後も低金利が続くと想定され、低金利を背景とした資金流入は続くと考えて良いだろう。