豪州REITは下落か?

また、豪州REIT市場については、世界的な金融緩和競争の中、RBA(オーストラリア準備銀行)が2月に利下げを発表し、政策金利は過去最低の2.25%となるなど、金利の低下が好感され、資金がREITに流れる傾向が顕著で、上昇トレンドが続いている。短期的な視点では、低金利が続くとみられることから、豪州REITへの資金流入と上昇は続くだろう。

しかしながら、長期的には、対中国輸出依存や資源価格の下落が豪州経済の減速とREIT市況の悪化につながる可能性があるため、注意が必要だ。豪州の輸出の25%程度が中国向けでうち6割が鉄鉱石といわれるが、中国の住宅バブルは崩壊している可能性が高く、その場合、資源需要は低下する。結果、景気後退局面となり、REIT市況が悪化するという流れは容易に想像できるだろう。


J-REIT(Jリート)は短期的には強気も日銀の動きに注意

最後にJ-REITであるが、昨年は黒田日銀総裁による追加金融緩和で、J-REITの買入れペースを年間300億円から3倍の約900億円へと大幅に増加させたことなどから上昇していたものの、年明け1月は、前半は新発10年国債利回りの低下や相次ぐ物件取得と公募増資により1口当たりの分配金の上方修正が好感されるも、公募増資への対応での換金売りや10年債利回りが上昇に転じたことで東証REIT指数は前月比で下落となった。

1月は下落となったが、日銀がゼロ金利を継続し、J-REITの買入れを行う以上、短期的には上昇トレンド継続と考えて問題ないだろう。しかしながら、1月末時点におけるJ-REIT市場全体のNAV倍率(Net Asset Valueの略で純資産総額を指し、REITの市場価格である投資口価格を一口当たりのNAVで割ったものをNAV倍率と言う)は約1.6倍と、TOPIXのPBRが約1.2倍であることを考えるとやや買われすぎている可能性がある。よって、日銀による下支えがなくなった場合は注意が必要だろう。

(ZUU online)

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