display in the supermrket
(写真=Thinkstock/Getty Images)

伊藤園 <2593> が3月2日、2015年5月期の第3四半(3Q)期連結決算短信を発表した。併せて競合飲料メーカーも決算を公表したが、夏場以降の天候不順の影響で、主力の飲料関連事業の落ち込みが大きく、新たな戦略を立てる必要性が生じるなど、厳しい状況が明らかになった。


タリーズ事業好調も、利益54%減の大幅下落

同社は、中国・東南アジアでの販売基盤確立に注力してきたが、今年2月に合併により米国 DISTANT LANDS TRADING CO.(DLTC社)を連結子会社とし、成長が見込まれるシングルサーブコーヒー事業の拡大と北米を中心とする市場での販売強化を進める。

このほど公表した同社決算によれば、連結ベ-スの3Q累計売上高は前期比1.7%減の3283億円、純利益54%減の39億8000万円となった。この厳しい決算の中で好調だったのは、タリーズコーヒーなど飲食関連事業で、店舗を拡充しつつ営業利益は27億6700万円で9.5%増であった。

伊藤園の株価は年初から上昇基調にのってきたが、業績面では今期通期予想も同程度の減益の見通し。予想売上高4370億円(0.2%減)、純利益62億円(48.7%減)の見込み。


“競合も苦戦する厳しい環境"—ダイドー・JTの飲料事業も苦戦

先週2月28日に2015年1月期決算を発表したダイドードリンコ <2590> も、同じく飲料事業の落ち込みを背景に、大幅減益であった。売上高は前年比3.4%減で、純利益は37.5%減の23億円である。

両社とも野菜ジュース類が振るわない。消費者の健康志向と商品嗜好の変化が見られる。特に、4月の消費税の引き上げ以降は、飲料業界の市場環境は大きく変化し消費者嗜好の多様化を高付加価値商品の要望と共に、低価格志向が強まり、消費の二極化が進展している。

JT <2914> は、2月に今年9月末をめどに飲料事業から撤退すると発表した。子会社により自販機運営事業は当面続けるようだが、同社は国内飲料メーカー10位程度に位置しており、「コンビニエンスストアをはじめとする他の販路との競争が激しく、今後の成長が見込めない」という結論に至った。

全国清涼飲料工業会によると、国内の飲料販売金額は2013年に3兆6678億円と過去10年で12%増えたが、直近の販売金額は頭打ちとなっている。約2兆円は自動販売機による販売となる一方で、品揃え豊富なコンビニエンスストアの勢いが増してきたところで、自販機販売は、飽和状態という。

今後の飲料事業の成長は、海外に展開する必要も出てきそうだ。

このような状況下、サントリー食品インターナショナル <2587>は、すでに相次ぐM&Aにより国外に基盤を築いていた。国内低迷の中、欧州事業の部門増益が見込まれているが、デフレ懸念が広まる欧州市場の環境も厳しいとの見方もある。価格低下がすすんでいるうえ、低価格ミネラルウォーター等が出まわっているので、付加価値飲料水の割高感も高まっているという。

各社とも、今後の戦略構想と日本国外での拡販獲得の先行きを見守っていきたい。

(ZUU online)

【関連記事】
溢れたマネーはどこへゆく?投資先に頭を悩ます年金運用担当者
崩壊へのカウントダウン 伸び悩む韓国、中国景気後退の影響を受けるか?
日経新聞/日経MJ/四季報まで閲覧可?会員制データベースに自由にアクセスする方法
SIMロック解除は「IoT」競争への号砲 動き出す通信キャリア
10万円以下でも買える?2015年の目玉LINE株をa上場前に買う2つの方法