(写真=Aiming HPより)
3月中盤以降、東証マザーズへの新規上場企業が相次ぐが、最終週に7社と集中している。そのうちの一つにAiming <3911> 、情報・通信業種> がある。オンライン・ゲームの企画、開発及び運営を行っている会社で、上場時発行済株式数3189万5500株、今回の公開株式数644万株(公募240万株、売出320万株、オーバーアロットメント84万株)とマザーズでは大型案件だ。調達資金は、新規ゲームのコンテンツ開発費と運営費、広告宣伝費にあてられる。
スマホ向けオンライン・ゲーム開発・配信事業が中心
同社は、2011年5月設立の人気のオンライン・ゲームの会社である。スマートフォン向けアプリゲームの開発及び配信が主事業で、基本無料ゲームを配信しているが、一部アイテムや有料機能を追加する際に生じる課金と、ゲームライセンスの提供により主な収入を得ている。
同社のゲーム開発技術は高く評価されているようである。2014年には「剣と魔法のログレス」がヒットした。
おかげで業績が急拡大し、2014年12月期から黒字転換している。「ログレス」人気の勢いはしばらく続くだろうとの評判で、その他にも「ロードオブナイツ」、「ヴァリアントレギオン」、「スマホでゴルフ」など人気ゲームタイトルを持っており、順調に利用者を獲得・確保していけそうだ。一般的に一つのゲームの寿命は1ヶ月から12ヶ月と格差があるが、ロングタームの寿命を持つゲームの開発と、人気ゲームの配信継続は重要である。
海外展開に注力
同社は、当初より、アジアを中心に利用者獲得・ゲームの配信を計画しており、スタッフは10か国以上の出身者から成っている。2013年から本格的に海外進出を始めた。配信市場は、中国、香港、マカオなどが中心だが、2014年には中国大手ネットサービス企業Tencent(中国テンセント)と資本業務提携を集結し、中国語圏での事業を拡大させている。Tencent社は、2004年より香港証券取引所に上場しており、現在香港ハンセン株価指数構成銘柄の一つである。
今期の同社の計画は、国内での優位性確保と開発に高度な技術を要するMMOジャンルのオンライン・ゲームの開発、さらに自社開発過程で培われてきたゲームの同社のリサーチ・ノウハウを生かし、海外の人気タイトルを選別し、国内での配信である。海外展開としては、今や世界最大オンライン・ゲーム市場となった中国を中心に、市場の拡大が著しいアジア地域での展開を積極的に進めていく。
2014年12月期の連結売上高実績は65億2700万円(前年同期比2.48倍)、営業利益3億5000万円(前年2億7800万円の赤字から黒字転換)、純利益5億5200万円(同2億1000万円の赤字から黒字転換)。自己資本比率は62.8%である。
類似企業gumiは、今期黒字転換ならず
同じくモバイルオンラインゲームの開発、運営及び配信事業を行う会社として、昨年12月18日に東証一部に上場をはたしたgumi <3903> がある。2014年4月期の連結ベースで売上高111億9284万円(前年同期比約2倍)に達しており、今期から黒字転換が見込まれていた。しかし、3月6日に業績予想の修正が発表され、連結損益4億円の赤字となる模様とのことだ。
このタイミングで、Aimingの上場予定であるが、株式市場ではどう受け取られるだろうか。
なお、主幹事は野村証券、ブック・ビルディング期間3月9日~3月13日、上場予定日は3月25日となっている。(ZUU online 編集部)