地方銀行 (写真=Thinkstock/Getty Images)

地方を基盤として存続してきた地方銀行は、今後どのようなビジネスモデルを確立していけば生き残っていけるのだろうか。明るい話題が見い出せない状況ではあるが、ゴーイング・コンサーンとしての観点から、将来の展望について考察する。


地方銀行の苦境

日本経済はバブル崩壊から約20年に渡る長期間のデフレに苦しんだ。その間、地方銀行も同様に、不良債権の処理、取引企業の倒産増加、マーケットの環境悪化などから、収益を確保するのに苦心し続けた。

同時期に並行して、都市銀行でも様々な合従連衡が繰り返されたが、地方銀行においても体力のない銀行等は容赦なく淘汰されていった。

不動産価格も下落し続けるなか、地方では特に雇用が減少し、地場産業が次々と存続の危機に立たされるなど、地方銀行の取引先はどんどん疲弊していった。その結果、融資残高が逓減していくことになり、貸出金による利息収益が減少していった。

一方で、預金は一時のような急激な増加は望めないものの、横ばいから微増という状態が続いた。預貸率 (預金残高に対する貸出残高の割合)は徐々に減少していき、逆に、余資 (預金残高から貸出残高を引いた額=余剰資金)が増加していった。

こうなると余資をマーケットで運用することで収益を確保する機会が多くなってくる。ところが、多くの地域銀行は証券会社のように積極的にリスクを取りに行く投機を行うわけにはいかず、大半が国債など債券への投資となる。昨今、日本国債購入者のうち、国内機関投資家が占める割合が高いのはこのためである。

とはいえ、残念ながら国債等への投資では問題解決にならない。マーケットでは日銀による金利操作などは遠い過去の遺物で、量的緩和に


フィー・ビジネスの登場

八方ふさがりのなか、救世主のように現れたのが、フィー・ビジネス (手数料による収益確保)である。伝統的な金利収益とは違い、この非金利収益は主に、投資信託、保険、外貨預金などの販売から得られる手数料を指す。これらは販売量が増えるほど、収益が上がるという仕組み上、今や、銀行の経営戦略構築において、最も重要視される施策のひとつとなっている。

また、従来の貸出金から金利収益を得るために要するコストと、債券から金利収益を得るために必要なコストと比べ、費用対効果が格段に大きい場合が多く、大半の地域銀行は、これらの販売量増加に躍起になっているのが現状だ。