本格化した人口減少社会



日本の人口は2008年をピークに減少に転じた。人口減少社会に突入してから今年で7年目となる。これからの不動産賃貸事業は人口が減ることを前提に考えていかなければならない。2013年10月時点では全国の空室率が13%の820万戸となり年々増加傾向にある。

昨年の2014年11月には「空家等対策の推進に関する特別措置法」も成立した。不動産賃貸事業者にとって、この法律は刺激的だったのではなかろうか。内容はともかくとして、増え続ける空室に焦点を当てたことで、これからの日本の不動産賃貸事業そのものを真っ向から否定しているような感じもするからだ。

そもそも不動産賃貸業というのは、昔から人口密集地域でないと成立しにくい。土地が余っている田舎であれば、わざわざ借りるよりも買った方が安いからだ。人口が減れば空家も増え、賃料が下がり固定費も賄いきれなくなり、結果、破たんに繋がるという図式になる。

それを考えると、収益マンションの投資はやはり人口が安定的に増える場所で行うのが理想的だ。では、東京都の人口はどうであろうか。


人口が減っても単身者が増え続ける東京都



東京都の統計によれば、東京都の人口は2020年の13,382千人をピークにその後は減少していく事が予想されている。日本の人口増加を牽引している東京都でさえ、そのピークは2020年であり、あと5年しかない。

一方で世帯数は2030年の6,856千世帯がピークと予想している。人口と世帯数のピーク時がなんと10年もズレているのだ。これには実はカラクリがある。世帯数といっても家族世帯と単身世帯があるが、この内、単身世帯の数が増え続けることで総世帯数が増えていくのだ。

同じ東京都の資料で、2015年の単身世帯の数は3,089千世帯であるが、そのまま増え続け、2035年には3,240千世帯になることが予測されている。単身世帯が増えている理由としては、晩婚化や高齢化が挙げられる。これからは女性や高齢者の単身者が増えていくことが予想される。

収益マンションと言えば、ターゲットは単身者だ。東京都の人口は減ってもターゲットとなる単身者はこれから20年間増え続けるため、投資エリアとして魅力的なのである。