(写真=プレスリリースより)

住友林業 <1911> は4月3日、茨城県指定天然記念物の「真鍋のサクラ(ソメイヨシノ)」について、バイオテクノロジーの手法の一つ組織培養法を使って、苗木の増殖に成功したと発表した。同社の発表資料によると、ソメイヨシノは一般的に接ぎ木による増殖が用いられており、組織培養法による苗木の増殖成功は世界初の事例になるという。

「真鍋のサクラ」は、土浦市立真鍋小学校の校庭に植えられている5本のサクラ。土浦市や「真鍋の桜保存会」の依頼を受けて、2012年から住友林業が保護・保存を目的とした研究を進めてきた。1907年(明治40年)に同校の卒業生によって植樹されたもので、同品種では青森県弘前公園に植えられている桜に次いで古いものと推定されているという。

土浦市などの依頼を受け、住友林業筑波研究所が増殖技術の研究開発に取り組んだ。組織培養法で増殖した苗は、対象となる樹木の樹齢と比較して若返り現象する可能性が高いといわれているほか、病虫害への感染も少ないことから、保護・保存方法として期待されているという。

今後の住友林業グループと土浦市は、真鍋のサクラの植生について、引き続き調査研究を進めるほか、保存会を通じて増殖したサクラの苗木を東日本大震災の被災地である宮城県陸前高田市などに寄贈する予定。

また、住友林業は今回開発した技術をもとに、全国の名木・古木の増殖に関するご相談を受ける予定という。(ZUU online 編集部)

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