国内市場の見通しは?
国内市場の見通しとして、同氏は「長らく続いたデフレ脱却から正常化へとノーマライズしていく段階に差し掛かっており、世界で最も見込みのある国」とした。
また、同社ヴァイスプレジデントの布施 亮氏は、同社は企業ごとに分析し、投資妙味がある場合には投資をする戦略をとっているため、全体の方向を見て上がる下がるという戦略をとっているわけではない、と前置きをした上で下記3つのポイントを述べた。
1点目は、「国内企業の業績の伸びは安定的で、今期・来期では10%超業績が伸びていくことが予想されるため、株価の上昇の寄与するのではないか」とした。
2点目に、「国内企業のコーポレートガバナンスの改善意識が本物」であるとし、「バリュエーションが伸びることによる収益に上乗せが期待できる」とのことだ。
具体的には、JPX400、スチュワードシップコード、コーポレートガバナンスコードの3点を挙げ、「株主への還元を真剣に考える企業が増加し始めている印象を受けている」と見解を述べた。
海外との比較では、「国内企業全体の平均PBRは1.4倍〜1.5倍程度なのに対して、米国では2.2倍程度、欧州でも1.8倍程度である」ことを挙げ、日本企業のバリュエーションの割安さを説明した。
3点目に「確実とはいえないが、日銀と政府が標榜しているリフレ政策が内需へと影響を与えていく」とした。昨年から下落してきた原油価格の下落効果が夏頃を目処にリセットされ、その後はインフレマインドが育ち、企業や家計のバランスシートの見直しが起こるとした。
日本企業は『良い企業』がある?
布施氏は、今後、内部留保が潤沢で優良な企業が、ROEを意識した経営を進めていくことで、「これからROEが伸びていく企業に投資をするチャンスが存在する」とし、すでにROEが伸びきった企業へと投資をするという点と大きく異なることを述べた。
同社の今後の展開として、独立系の販売会社やIFA(独立系フィナンシャルアドバイザー)などの独立色が強い組織を販売パートナーとすることで、同社のファンドを訴求していきたいとのこと。米国でファンドへの長期投資を行ってきた豊富な経験が、日本国内にも浸透するかどうか、今後に注目である。