栽培地域による変動要因をビッグデータ利用で確実なビジネスへ

農業は、栽培地域によって気候、作付けの時期、肥料の投入レベル、刈り取り時期などあらゆるファクターがそれぞれ異なる。これをビッグデータとして収集、分析すれば、長年の勘に頼ることなく、より確実な農業のプロセス管理ができることになるのだ。現在の日本のICTの技術レベルとビッグデータの収集・解析能力があれば、こうした確実な農業事業を実現する社会に迅速に移行することができるのだ。

農業栽培工場といった呼び方をすると、非常に機械的でいいイメージをもたれないが、ビッグデータを利用してリスクを徹底的に低減し、大規模ビジネスとして失敗のない収穫と安定した生産性を実現することができれば、限られた人数の農業従事者でも確実な事業展開を実現することができ、逆に労働者の参入障壁も大幅に改善することが可能となる。まさにビッグデータの農業への活用は、この崩壊寸前の一次産業を蘇らせる大きな切り札となることが期待できる。


既に始まっているIT利用の取り組み

このような国内農業の危機的状況を打開すべく、大手のIT企業をはじめてとして、クラウドサービスを利用した形での農業用のソリューションとビッグデータ分析のサービスが始まりつつある。富士通<6702>、日立<6501>、NEC<6701>などは具体的なクラウドソリューションを提供し、この分野に参入をはかろうとしている。先進のICT技術をふんだんに導入すれば、農業もビジネスとして十分に利益の出るものへと成長することが考えられる。しかも農産物の年間を通した安定供給により価格の変動要因も減少し、より事業としての魅力が高まることになるのだ。世界的なレベルでの価格競争の問題もICTのフル稼働により栽培の失敗リスクが低減し、生産性が高まることから、競争力のある価格を実現することも決して夢ではない。いままさに農業を事業として成立するための日本らしい新しいソリューションの投入による農業の事業化が期待されているのだ。(ZUU online 編集部)

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