コカ・コーラもあらがえなかった、激化するコンビニの棚競争とPB戦略

(写真=Thinkstock/Getty Images)

2015年4月3日、これまでPB商品はつくらないと名言してきた日本コカ・コーラが一転、セブン&アイホールディングスと共同企画した缶コーヒーの発売を発表した。ついに業界最大手のコカ・コーラまでが、PB商品をつくらざるをえなくなったのだ。コンビニの棚割競争は今、どうなっているのだろうか。


セブンイレブンのPBコーヒー戦争

セブンイレブンの業績を押し上げる1つの要因となっている、プライベートブランド(以下PB=自主企画)「セブン・プレミアム」である。その新たな商品として、日本コカ・コーラと共同開発されたのが、缶コーヒーと緑茶だ。

もっとも、米コカ・コーラ本社は世界的にPBの開発は認めておらず、日本コカ・コーラ側は今回の取り組みについて、「PBではない」としている。あくまで、コカ・コーラ、ジョージアのロゴと、セブンプレミアムのロゴを冠した共同開発商品であるというが、これまでより一歩踏み込んだ取り組みであることは否めない。

セブンプレミアムにおけるPB戦略を象徴しているのが、缶コーヒーへの取り組みである。はじまりは、2010年のUCC上島珈琲との協業だった。この協業は2013年まで続き、セブンプレミアムの缶コーヒーの年間販売額は4900億円まで伸長した。

ところが2014年1月、セブン-イレブンは突然協業先を変更し、缶コーヒーではシェア2位の「ボス」ブランドをもつサントリー食品インターナショナルとの協業を開始した。その結果、2014年トップブランドの上島珈琲「ジョージア」の出荷数量が昨年2%減ったのに対し、2位のサントリー「ボス」は6%増えた(飲料総研)。セブンプレミアムにより、缶コーヒーの年間販売額は8750億円まで増加していた。それにもかかわらず、わずか1年でセブンイレブンはサントリーから日本コカ・コーラに鞍替えを果たしたのである。

日本コカ・コーラ側が今回の意思決定にいたった背景には、缶コーヒー自体の市場環境の変化も少なからず影響している。コンビニ各社が販売を開始した、店頭での『淹れたてコーヒー』の存在である。セブンイレブン側は缶コーヒーとコンビニコーヒーのカニバリを否定しているが、影響がないとはいいきれない。


セブン&アイHDにとってのセブンプレミアム

セブンプレミアムの年間販売額は2007年度の800億円から、2014年度には8150億円まで拡大した。2015年度には1兆円越えを見込んでいる。

これまでPBは価格重視戦略の手段として取り組まれてきた。しかし、すでに缶コーヒーの消費市場は飽和状態にある。もはや価格での差別化は困難になっており、PBにも価格ではなく価値の差別化が必要となっているのだ。セブンプレミアムは、消費者ニーズの変化に合わせて、つねにベストなパートナーと組むことでその価値を高めようとしているようだ。