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(写真=Thinkstock/Getty Images)

牛丼チェーン「すき家」を展開する外食大手のゼンショーホールディングス <7550> の業績が回復傾向にある。

深夜営業を休止していた店舗の営業再開が予定を上回るスピードで進んでいることによるもので、2015年3月期通期の連結業績予想は17億円の営業赤字を当初は見込んでいたが、3月には一転して26億円の黒字予想への上方修正を発表。売上も当初の予測を引き上げるなど、非常に好調だ。

これまでゼンショーは深夜時間帯に「ワンオペ」といわれる一人勤務体制にて業務を回していた。これに世間での批判が高まったため、ゼンショーは社内に第三者委員会を設置して調査を行った。その結果、第三者委員会からも「早急に改善すべき」と指摘を受け、昨年9月にはワンオペを解消し二人体制へと見直しを行った。

さらに、アルバイトやパート約9万5000人を対象に時給を2.5%引き上げると発表。正社員だけでなくアルバイトやパートへも賃上げの対象を拡大することで、従業員の生活水準を向上させ、顧客に対するサービス水準の向上を狙うというものだ。


顧客満足度(CS)重視だけでは不十分

世の中には顧客満足度(Customer Satisfaction=CS)重視を謳う企業は多い。しかし、この考えが行き過ぎると、従業員を犠牲にし、人件費を削減して浮いた資金で食材の質を高めたり、店舗のない地域に出店したりという方向に進みがちだ。ともすれば、いわゆる「ブラック企業」にもなってしまいかねない。

もしもブラック企業として世間に認知されると、採用活動をしても従業員が集まらないばかりか、企業イメージも悪化。客足が落ちることにもつながりかねない。政府も行政指導の段階で公表したり、専従の取り締まりチームを新設したりして対策を強化するなど、ブラック企業への風当たりは厳しくなっている。

このように、顧客満足度の向上だけを狙ったのでは必ずしも業績につながるとは限らない。むしろ業績のためにはゼンショーが実施したような従業員満足度(Employee Satisfaction=ES)の向上を図ることで、顧客満足度の向上にもつながるという考えが広がってきている。