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(写真=Thinkstock/Getty Images)

最近の大手の企業のホームページには、必ずといっていいほど「CSR」という項目がある。CSRとは「Corporate Social Responsibility」の頭文字をとったもので、日本では「企業の社会的責任」などと訳される。「社会的責任」という言葉から、寄付行為やボランティアをイメージする人も多いが、慈善活動の意味ではなく、あくまで企業経営における重要な経営戦略の1つである。

最近では似たような言葉として、「CSV」という概念も生まれてきている。CSVは、「Creating Shared Value」の頭文字をとったもので、「共通価値の創造」と呼ばれる。具体的には、社会的な課題を解決するための製品、あるいはサービスを提供することで、社会に貢献すると同時に企業も利益を上げるというものだ。

CSRが企業の社会的責任という“理念”を基軸にしているのに対して、CSVは企業と社会が共に利益を享受していこうという“結果”に着目しているという違いがある。

CSRは、企業価値の向上に結びつくという本来の意味が正確に理解されていないために、社会貢献やリスクマネジメントと捉えられ、企業にとって負担と誤解される傾向があった。そのため、社会的責任を果たすと同時に、価値を創造するという意味で「CSV」という言葉が、経営学者のマイケル・E・ポーターにより提唱されたのである。


CSRの目的は社会との友好な関係を築くこと

抽象的な概念なのでわかりにくいが、CSRを難しく考える必要はない。要するに、企業も社会の構成員である以上、単に利益を追求するのではなく社会とより良い関係を築く必要がある、ということである。人間がルールやマナーを守り、社会的友好関係を築こうとするのは、自分勝手な行動をして社会から疎外されるよりもメリットがあると考えるからだ。企業もまったく同じで、社会と友好な関係を築いた方が、メリットが大きいのである。

CSRとは財務面だけでなく、環境面や社会・倫理的側面に配慮した事業活動、さまざまなステークホルダー(利害関係者)とのより良い信頼関係の構築、および社会との持続可能な発展を追及することにある。また、環境面に配慮し社会貢献的な商品やサービスを提供することは、社会から評価されるので、安定的な企業運営や企業価値の向上につながる。


CSRを実践するための3つのステップ

CSRを実践するといっても、どこから手をつけてよいのかわからない、という経営者がいるかもしれない。簡単に説明すると、まず第1にするべきことは、コンプライアンス(法令遵守)の徹底である。最低限のルールである法令を守れない会社が、社会貢献を語る資格はないからだ。サービス残業、パワハラ、各種偽装問題など企業の不祥事は後を絶たない。自ら襟を正すことからまずははじめる必要がある。

次に、倫理実践を行うことである。倫理実践とは、法令では規定されてはいないが、自らの意思で環境に配慮したり、安全性を高めた商品を開発したりすることである。

3つ目が、社会貢献だ。障がい者雇用を増やすことや発展途上国に技術供与するなど、一歩踏み込んで社会への貢献を果たしていくことである。

ちなみに、2013年度の社会貢献支出の多い企業は、第1位がトヨタ自動車で224億円、第2位がサントリーホールディングスで81億円、第3位がアステラス製薬で80億円、第4位JTが77億円、第5位がNTTドコモで71億円となっている(東洋経済調べ)。トヨタ自動車は日本を代表する企業なので、当然の結果ともいえるが、2位以下については、CSRに対する高い意識がうかがえる。

就職や投資の際には、企業のネームバリューで判断しがちだが、ホワイト企業を見分ける、あるいは持続可能性の高い企業を探すには、どれだけCSRに積極的に関わっているかを見ることは非常に有効である。大手の企業であれば、通常ホームページにCSRの項目がある。これを機会に企業のホームページを見る際には、ぜひCSRの欄も確認することをおすすめする。(ZUU online 編集部)

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