ニトリホールディングスの株価が好調だ。2月3日に終値6,450円を付けたあと、右肩上がりで上昇し、3月10日時点で終値8,350円と1,900円も上昇している。株価が値上がりしている背景には好調な業績がある。


意外にも業績は順調 その理由とは?

アベノミクスにより円安が進み、業績が下がるのではないかと見られていたが、2014年2月期の業績は、売上高3,876億円(前期比11.1%増)、営業利益630億円(前期比2.5%増)、経常利益634億円(前期比2.1%増)、当期純利益384億25百万円(前期比7.3%増)と、27期連続増収増益を達成している。さらに、2014年2月21日から11月20日までの売上高は、3104億円と前期比で9.5%増だ。以上のことから、今期も増収増益が見込まれる。
株価の好調は2月の前半から続いているが、ちょうどその頃、大塚家具のお家騒動が勃発していた。ニトリやIKEAが比較の対象にされたことで注目が集まったという事情もあるだろうが、本質に業績の好調があるからこそ株価が上がるわけで、その理由について考えることが重要である。

ニトリのビジネスモデルは、商品をアジア諸国で生産し、輸入、保管、流通などの物流業務から、チラシ制作などの広告宣伝、システムの企画・設計・開発までを一環してニトリグループ内で行うことで、中間コストを削減し、低価格を実現するというものである。円安によって海外での人件費の負担や輸送コストは増加していると考えられるが、基本は無駄なものを排除してコスト削減を図っているため、円安が進んだとしても他の家具メーカーが価格面で勝つことは難しい。