騒動に乗じてブランデス社が多額の利益
3月27日の株主総会まで数週間余りとなった大塚家具 <8186> は、会長・勝久陣営と社長・久美子陣営の委任状争奪が激しさを増している。
両陣営の保有株式数は、勝久会長側が妻と勝之専務を含め20.08%、久美子側が米ファンド(10.13%)、資産管理会社のききょう企(9.75%)など合わせて19.99%となっており決着はどちらに転ぶか分からない状況だ。そのため、一般株主の株式をいかに買い集められるかに両陣営必死となっている。社長の久美子氏は、1株あたり40円の配当金を2倍の80円にすると表明、これに対抗した会長勝久氏はこれ3倍の120円に引き上げると提案した。
一連の騒動では多くの投資家が委任状争奪戦に伴う両陣営の株式の買い集めによって大塚家具の株価が上昇すると読み、その株を買った。そしてそれにより騒動前は1100円前後であった大塚家具の株価が、最終的には3日連続のストップ高、2488円の年初来高値を記録した。
この機会に乗じて多額の利益を上げたのが久美子氏側の方を持つ大株主ブランデス社である。ブランデス社は今月2日と3日の高値圏で大塚家具の持株の半分以上を売却したことが明らかになっており、その売却益は10億円超であると言われている。3日の高値水準にて売却していた場合、その売却益は17億円前後となる。そのうえで、まだ議決権を保持しているのだ。なお、大塚家具が27日に開催する株主総会の基準日は去年の12月末であるため、この売却がこのたびの株主総会に直接的な影響を与えることはない。