エイチ・アイ・エス <9603> は2月19日、民事再生手続き中であるスカイマーク <9204> の再建を支援する意向を明らかにした。一時は株式を過半数保有していた企業による再支援決定だけに注目が集まっている。その真意について業界ではさまざまな憶測を呼んでいるが、こうした決定に至った狙いについて探ってみた。


第3極としてスタートも結局破綻

もともとスカイマークエアラインは、1996年11月にエイチ・アイ・エスの澤田秀雄会長らの出資により設立された。規制緩和後の新規航空会社の第1社目として注目を浴びたが、近年では格安航空会社(LCC)との競争激化から搭乗率が低迷、円安加速で燃料費も大きく膨らみ、収益悪化が続いていた。またエアバスの発注中止による違約金交渉トラブルなど話題に事欠かず、その成り行きが注目されていたが、結局、自力再生の道が閉ざされることとなり民事再生法適用申請による破綻となった。


スカイマークの支援表明企業は約20社

スカイマークの支援には、国内外の多くの企業が名乗り出ており、その数は20社近くにおよぶ。ANAホールディングスやオリックス、福山通運、新生銀行、大和証券グループなどが支援意向を表明しており、アジア最大の格安航空会社であるマレーシアのエアアジア支援を申請した。


大株主から離脱したエイチ・アイ・エス

エイチ・アイ・エスは長年スカイマークの大株主であったが、過半数の株式取得から徐々にその保有株式数を減少させてきた。そして2月9日付の直近の変更報告書によれば、2月4日に492万6100株を市場で売却しており、株式保有割合は6.49%から1.09%に大幅縮小している。スカイマークが民事再生法適用申請したことによる処分売りとみられる。

ところが2月19日に一転、スカイマーク再建を支援する意向を明らかにしたのである。この日はスカイマークが支援企業を募集する意向表明期限であり、まさにぎりぎりの表明であった。