区分収益マンションの購入

一方で多額の現金を持っている場合は、現金を不動産に変えることをおすすめする。なぜなら、現金を1,000万円持っていてもその評価は1,000万円のままで節税力が極めて弱いためだ。これから不動産を取得する場合は、先述のような収益性の低い物件を除いた貸家建付地の土地建物・区分の収益マンションを購入するのが最も良い。なぜなら安定した賃料収入が得られるうえ、土地のみならず建物自体も節税対象になるからだ。

ここで区分マンションを購入した場合の評価額の減額効果を見てみよう。建物4,500万円、土地1,500万円で計6,000万円の収益区分マンションを購入したとする。まず土地については路線価評価となり約20%減の1,200万円の評価額となる。次に貸家建付地のため更に約20%減額されて960万円となる。一方、建物についてはまず固定資産評価額が時価よりもそもそも約40%減額されるため、4,500万円が2,700万円になる。更に貸家評価ということで約30%減額されるため1,890万円となる。よって最終的には6,000万円の資産が2,850万円となり半額以上の3,150万円も評価額が下がるのだ。


プライベートカンパニーの設立

次にやるべきことは、プライベートカンパニー(法人化)の設立だ。個人が所有する賃貸不動産をプライベートカンパニーに売却し、役員報酬として収入を受け取るようにする。結果、法人税が下がる一方で個人の所得税は上がるため、法人化するだけでもメリットがある。プライベートカンパニー設立後は、その株を相続人に贈与していく。贈与の場合は贈与税がかかるが、ここでも実は法人にすることでメリットがある。例えばプライベートカンパニーが資産の50%を借入金とする場合、上述のように収益不動産の評価が時価の半分未満となるため、借入金残額の方が大きくなり株価をゼロ評価まで下げることも可能だ。そうすると毎年110万円までの暦年贈与を何年もかけて行うのではなく、一気に贈与することもできる。

以上のように、今からできる相続対策としては、①資産の見直し、②区分収益マンションの購入、③プライベートカンパニーの株贈与がキーワードになりそうだ。相続対策は時間がかかるため、計画的に対策を立てていきたい。

(ZUU online 編集部)

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