選択と集中,三菱電機,業績,好調,営業利益率,日立製作所,東芝

(写真=Thinkstock/Getty Images)

三菱電機の業績が好調だ。2月に発表した連結業績予想では、売上高4兆2,400億円、営業利益2,900億円へと上方修正された。目標として掲げた売上高5兆円には届かないものの、営業利益率では日立製作所や東芝を上回る6.5%とトップに立った。

日立製作所の売上高9兆円、東芝6兆円、そして三菱電機は4兆円と、総合電機王者である日立製作所には及ばないが、営業利益率では日立の6.1%、東芝の4.9%と比べて6.5%と高く収益性でまさる。売上高はもちろん大事だが、それ以上に収益性の方が重要だ。

しかし実は三菱電機は、従来はこのような高収益企業ではなかった。2009年度の収益率が2.8%だったことを考えると、2倍以上に収益性が高まったことになる。もちろん円安の好影響もあるが、それだけでは他社を上回る営業利益率の達成は難しい。では三菱電機は、どのような戦略をとったのか?


徹底した選択と集中

三菱電機の戦略を一言でいってしまえば、「選択と集中」である。

これを達成するために、「強い事業をより強く」、「強い事業を核としたソリューション事業の強化」をモットーに、三菱電気はこれまで多くの不採算事業から撤退。そして2020年までに連結売上高5兆円、営業利益率8%以上と高い目標を掲げている。

折りたたみ携帯電話を使っていた人には、馴染みがあるかもしれない。三菱電機製の携帯電話が、世に広く出回っていた時期があった。しかし今では、見かけることもほとんどない。携帯電話端末事業からは2008年に撤退した。また、半導体のDRAMとシステムLSI事業、パソコン事業、そして洗濯機事業と、次々に既存の主力事業から撤退している。とくに半導体事業は、事業を譲渡したエルピーダメモリやルネサステクノロジの底なしの業績悪化を見れば、先見の明があったともいえるだろう。また、収益のブレが大きい消費者向け事業ではなく、直接企業を相手にしたB to B事業へとシフトしたことも、収益性の向上に寄与している。

不採算事業からの撤退。しかしそれだけでは、成長戦略とはいえない。獲得してきた収益を借入の返済に回す段階は、すでに12年度内に終了した。フリーキャッシュフロー(自由に使える資金)も、2012年度はマイナス709億円だったが、13年度にはプラス3,100億円に急改善し、いまは研究開発や設備投資を積極的に行っている。特に産業メカトロニクスへの投資が寄与し、営業利益の5割を稼ぐほどまでになっているのだ。