旺盛な新興国消費、先進国の健康食品ブームで需要が拡大

2つめの理由として、生産減少が続く中、中国やインドなど新興国でナッツ類の消費が急拡大しているためだ。

以前はアーモンドといえば脂肪分が多いことから健康によくない食べ物としてみなされてきた。しかし、研究が進み、悪玉コレステロールを抑制するオレイン酸やカルシウム、鉄、亜鉛、食物繊維が豊富で、抗酸化作用で老化防止に役立つビタミンEも摂取できるとして、健康食品としても注目されるようになってきた。日本国内でも、ここ5年間で消費量が5割以上も増え、特に健康・美容意識の高い女性を中心に、人気が出ている。

アメリカでは人気投資商品に

そして、3つめの理由が、世界的な需要の拡大を前に、天候不順で供給がひっ迫するなか、価格高騰の動きを見逃さない投資ファンドの存在だ。アメリカでは、アーモンドを含むナッツ類を投資商品として組み入れ、堅調な消費拡大とカリフォルニアの減産状況から高値で推移すると見込まれ、人気を集めているという。

こうした要因がアーモンド価格を押し上げているが、それに加えて、日本の消費者にとってはさらに円安が重くのしかかっている。これまでお手軽なスナックとして親しまれてきたアーモンドだが、健康食品という付加価値も加わり、身近に手が届かない高級食材として位置付けられる日も近いかもしれない。(ZUU online 編集部)