不動産投資,不動産オーナー
(写真=PIXTA)

地主のところには、色んな業者から様々な提案が持ち込まれる。ハウスメーカーや仲介会社、マンションディベロッパー等、皆言うことが違うため、誰を信用していいのか分からないケースも多い。たまたま気の合う営業マンの話に乗り、行き当たりばったりで話を進めてしまうこともある。

本来であれば、先祖からもらった大切な土地に、どのような投資を行えば全体が底上げできるかの戦略を考えるべきである。戦略を立案するにあたっては、まずは保有している資産の全体像を俯瞰できるようにすることが重要だ。そこで今回は戦略的な投資を行うため必要な簡単にできるポートフォリオ診断について紹介していきたい。


ポートフォリオ診断は何を見るのか

まずポートフォリオ診断で行うことは、物件の土地の各筆や各建物の一覧表を作ることだ。借地や共有等の権利関係が複雑でも、まずは物件ごとに一覧表を作る。次に行うことは、各物件の相続税評価額を記載して資産価値を把握する。相続税の細かい評価減が分からなければ、とりあえず土地は路線価、建物は固定資産税評価額を資産価値とし、後から精緻にすればいい。

各物件の資産価値が把握できたら、各物件が生み出している収益を計算する。賃料収入から、土地建物固都税や、保険料、管理費用等を引いた収益である。このようにして求められた収益を各物件の資産価格で割る。そうすると、各物件のいわゆるNOI利回りのような収益力が計算される。