資産の振り分けをする

ここで、自宅の土地建物は何も収益を生み出していないため、この擬似的なNOI利回りはマイナスで表示される。自宅のような必要な不動産はマイナスでも構わない。問題は他の物件でマイナスが出ている場合である。

例えばそのまま放置してある山林や、入居率が著しく低い古アパート、賃料の低い駐車場等がマイナスでリストに入っていると思われる。第一段階としては、このような資産がポートフォリオ全体の収益性を下げてしまっていることを認識すべきである。


基本はマイナスの利回り物件を収益物件と交換

基本的な戦略としては、NOI利回りがマイナスの物件を、収益性の高い物件に交換することを考える。収益力がマイナスの資産を売却して、交換で都内の投資用ワンルームマンションを購入する。そうすれば、プラスのキャッシュフローがポートフォリオの中に加わるため、全体の収益性が上がる。交換であれば借入金を膨らませることなくキャッシュフローを改善できるメリットがある。


行き当たりばったりの決断は無くなる

このような全体戦略を持たないと、賃料の低い駐車場の敷地にアパート建築の提案が持ち込まれると、そこだけの収益性や相続対策に惑わされてアパートを建ててしまうことになる。

収益を生み出していない土地に、新たに借入を行ってアパート投資を行えば、キャッシュを生み出すまでに時間もかかり、借入金返済の悩みも増える。一方で、他の収益性の低い物件と組み合わせて手元資金を作り、都心部の収益物件を購入すれば、すぐにキャッシュフローを得ることが出来る。