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【FX戦略デイリー】黒天井トライ

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(写真=PIXTA)

 ◆昨日は、特段のドル買い材料はない中で、ギリシャデフォルトリスクの後退を背景に、米中長期債利回りの上昇と共に米ドルが対円と対欧州通貨で続伸した。

 ◆ドル/円も、予想を下回る米耐久財受注にも拘らず一時124.19円へ上昇した。

 ◆他方、ユーロ/ドルはユーロ圏PMIの改善やギリシャ支援合意期待を受けた欧州株高・周縁国利回り低下にも拘らず、1%以上下落した。

 ◆本日は、ドイツIfo景況感指数、米1QGDP最終推計値およびギリシャ支援問題を再び協議するユーロ圏財務相会合が予定されている。

 ギリシャ支援問題が合意に向けて進展していることが確認されると、米中長期債利回りの上昇を通じてドル支援要因となり易いほか、米1QGDPが大幅に上方修正されプラス成長となるような場合にも、ドル買いとなり、ドル/円は再び124円乗せとなりそうだ。

 他方、ユーロはギリシャ支援問題の進展やIfo景況感指数の改善でも上値の重い展開が続きそうだ。

昨日までの世界:ギリシャ期待で上がれたドル/円

 ドル/円は、前日のギリシャのデフォルトリスク後退を受けた米中長期利回りの持ち直しと米ドル高地合いを引き継ぎ、東京時間から123円台後半へ強含みとなった。

 その後も、米耐久財受注が総合で前月比-1.8%、非国防資本財受注および出荷が各々+0.4%、+0.3%といずれも市場予想を下回る伸びだったにも拘らず、124円台に乗せ一時124.19円へ上昇した。

 但しその後、米株価の一時的反落と共に124円を割り込んで引けた。この間、常に投票権があるPowell理事は、9月にも利上げに必要な条件が整う、年内2回の利上げを想定といったタカ派的な発言をした一方、9月利上げの確率は五分五分、とハト派的な部分もあり、どちらなのか釈然としないが、市場はタカ派的と受け取ったようだ。

 ユーロ/ドルは、ギリシャ期待を受けてドルが全般的に上昇した昨日の流れを引き継ぎ、東京時間から下落を再開し、1.13ドルを割り込んだ。その後、ユーロ圏コンポジットPMIが54.1と予想外に改善したほか、ギリシャ支援合意期待を受けた欧州株高・周縁国利回り低下にも拘らず続落し、一時1.1135ドルへ1%以上下落した。

 ユーロ/円もユーロ/ドルと同様の動きとなり、140円丁度近辺から138.21円へ下落した。

 豪ドル/米ドルも、かつてのようにリスクオン相場で恩恵を受けることはなく、むしろ米ドル高基調を受けてNY時間にかけて一時0.7679ドルへ続落した。もっとも、その後0.77ドル台前半へ反発して引けており、結局前日とほぼ同水準に戻った。

 豪ドル/円は、豪ドルが対米ドルでほぼ横這いとなる中で、米ドル/円と同様の動きとなり、95円台前半から一時95.96円へ強含みとなった。

きょうの高慢な偏見:黒天井トライ

 ドル/円は、ギリシャ支援問題が中心的な材料となる場合、本日のユーロ圏財務相会合で合意に向けて進展していることが確認されると、米中長期債利回りの更なる上昇を通じてドル支援要因となり易い。

 また、米1QGDP最終推計値では前回の前期比年率-0.7%から-0.2%へ上方修正される見込みだが、上方修正が大きくプラス成長となるような場合には、更なるドル買いを誘いやすく、ドル/円は再び124円乗せとなりそうだ。

 他方、多少市場予想を下回っても、大幅マイナス成長には市場も慣れておりかつ過去の計数との認識であることから、ドル売りでの反応は限定的となりそうだ。他方、124円台を超えて円安が進行しそうだと、本邦当局からの円安牽制への警戒感が高まり易い点も、上値を限定的にしそうだ。

 因みに、市場の関心は2QGDPがどの程度強いかに移っており、1QGDPのマイナス成長をほぼ的中させたアトランタ連銀のリアルタイムGDP予測(GDPナウ)は直近6月23日時点で前期比年率+2.0%となっているが、Bloomberg纏めのエコノミストコンセンサスは前期比年率+2.5%とかなり近い成長率となっている。

 ユーロ/ドルは、ここ数日のギリシャ支援問題の合意に向けた期待感の高まりやユーロ圏PMIの予想外の改善でも上昇していないことから、本日のユーロ圏財務相会合である程度の進展が確認されたり、ドイツIfo景況感指数がPMIと同様に改善しても上昇せず、むしろ上値の重い展開が続きそうだ。

 但し、ドイツ10年債利回りが高止まっていること、ECBが追加緩和姿勢を示していないことを踏まえると、ユーロが再び下落基調に入ったかは不透明で続落余地はあまり大きくなさそうだ。

 豪ドルは、対米ドルで安値圏で推移しているものの方向感がなく、本日も豪州や中国の材料がない中で、米ドル相場の動向に左右されやすい状況が続きそうだ。ギリシャ問題の進展や米GDPの予想以上の上方修正などがあれば米ドル買いで下押しされようが、直近安値(4月2日の0.7533ドル)を下抜けするだけのモメンタムはなさそうだ。

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山本雅文(やまもと・まさふみ)
マネックス証券 シニア・ストラテジスト

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