すき家
(写真=ZUU online 編集部)

アルバイトによる悪ふざけが多発し、牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショーホールディングスが、今後の業績の行方なども左右されかねない状況に追い込まれている。人手不足に悩む同社で、また頭の痛い問題が増えた。文=ジャーナリスト/小山一樹


内部文書で通達したが店員とのいたちごっこに

牛丼チェーン「すき家」がアルバイトによる悪ふざけに苦しめられている。5月にはバイトの女子高生が自らのわいせつ画像を店内で撮影、ツイッターに繰り返し投稿するという“仰天”の行為まで発覚した。全店での深夜営業の再開にはバイト要員の補充が欠かせない。ただ繰り返される“バイトテロ”によるイメージ悪化で、人員を確保できなければ、業績にも甚大な影響が及びかねない状況だ。

わいせつ画像問題は、今年3〜4月に、関東地方の店舗で勤務していた女子高生が店内で制服の上半身をはだけさせたり、ズボンを脱いで下半身を露出した状態の写真を自身のツイッターに複数回投稿していた。ゼンショーHDは、女子高生について社内規定に基づいて処分。さらに5月8日には警察に法的処置を相談し、アルバイト全員に対して、内部文書で「従業員がすき家の画像・情報を無断投稿することは禁止です」と通達。違反投稿を発見した際には本部への連絡を呼び掛け、再発防止に乗り出した。

ところが、アルバイトへの統制を強めようとした矢先、ツイッター上で、2人が通達内容を投稿していたことが発覚。ゼンショーHDによれば、1人は男性アルバイト店員でもう1人は部外者だったといい、バイト店員については社内規定に基づいてしかるべく処分したというが、次々と明るみになるバイトの悪意ある行為に、同社もほとほとあきれ顔だ。どうにか、バイト店員の悪意ある行為を食い止めようとしても、店内で撮影した面白おかしい動画などをネットにすぐに上げる店員とのいたちごっこ状態だからだ。

実際、昨年5月には店内で従業員が居眠りをしている画像がツイッター上に上がり、今年1月には味噌汁がまかれる画像、3月には厨房でゲームをしている画像が、ツイッター上に次々と投稿されていた。

すき家は昨年2月に手間の掛かる「牛すき鍋定食」を発売して以降、苛烈な労働を迫られた深夜バイト従業員の大量退職が生じ、人手不足による店舗休業が相次いだ。その影響で、ゼンショーHDの2015年3月期の連結最終損益は111億円の赤字(前期は11億円の黒字)と、1997年の上場以来、初の赤字に転落した。