外国人宿泊者数の増加

■ホテル稼働率と外国人宿泊者

訪日外国人旅行者数の増加に伴い、国内のホテル稼働率は近年で最も高い水準で推移している。ホテルでの高稼働率の維持は、日本人の延べ宿泊者数の減少(▲489万人泊の減少)を、延べ宿泊者数では1割に満たない外国人の増加(+1,133万人泊増)が補ったためである[図表4]。

延べ宿泊者数

■国籍別、都道府県別の宿泊者数

2014年に延べ宿泊者数が多かったのは、台湾の783万人泊(構成比19%)、中国の764万人泊(同19%)、韓国422万人泊(同10%)で、この3カ国で全体の48%を占めている。

こうした外国人の宿泊地は特定の都道府県に集中している。2014年の外国人延べ宿泊者数の地域別構成比は、東京エリア(東京都・千葉県・神奈川県)が全体の39%、関西エリア(大阪府・京都府・兵庫県)は22%、中京・中部エリア(愛知県・山梨県・静岡県・岐阜県・長野県)は10%、北海道は9%、北部九州(福岡県・長崎県・熊本県・大分県)は6%、沖縄は5%で、その他は8.5%だった。

2012年から2014年に外国人の延べ宿泊者数が最も増加したのは東京都の+516万人泊で、次いで大阪府の+278万人泊、北海道の+202万人泊、沖縄県の+153万人泊、京都府の+110万人泊だった。また増加率が最も高かったのは香川県の+254%、次いで沖縄県の+196%だった。

■都道府県別・宿泊施設タイプ別の外国人延べ宿泊者数構成比

2014年の宿泊施設タイプ別の外国人比率(外国人延べ宿泊者数/延べ宿泊者総数)が最も高いのは千葉県のシティホテルで、外国人が延べ宿泊者のほぼ半数(48%)を占め、次いで東京都の旅館(38%)、大阪府のシティホテル(37%)が続いている[図表5]。

旅館全体の外国人比率は4%にすぎないが、東京都や北海道、山梨などの旅館では外国人が占める比率が急上昇しており、外国人の受け入れ態勢の整備により、旅館も外国人の宿泊需要を取り込みつつある。

宿泊者比率