(写真=株主手帳7月号/HPより)
増収減益も通期予想は据え置き 新物流センター竣工で収容能力拡大
「冷蔵庫倉庫事業」「食品販売事業」を両軸に、グローバルな食品物流を展開する横浜冷凍 <2874> 。5月13日に2015年9月期第2四半期決算を発表した。
売上高は749億8300万円(前年同期比10%増)、営業利益18億2300万円(同31・7%減)、経常利益18億5600万円(同29・9%減)、四半期純利益11億2900万円(同30%減)と増収減益となった。
株価は861円(6月2日終値)。PBRではまだ1倍割れで割安圏にあると言えよう。高波相場の状況にある今、株価見直しの期待が高まってきている。
業績面を詳しく見ていこう。主力の「冷蔵庫倉庫事業」は2014年10月、宮崎県に「都城第二物流センター」を竣工、稼働を開始。これにより新たに1万8220トンの収容能力を持ち、05年に開設した第一センターと合計すると、3万8000トンの収容が可能になった。物流センター新設で売上高は積み上がり、119億4900万円と前年同期比8・2%増加した。
その一方で、立ち上げ経費や支払運賃など減価償却費も増加したことで利益を押し下げた。結果、営業利益は25億3900万円と同11・2%の減少となった。また、タイのトップシェアを持つ子会社タイヨコレイは好調を維持。売上は前年同期から41・3%増と拡大を続けている。
「食品販売事業」も増収ながら期初の急激な円安が大きく影響を及ぼし利益を下押し、減益となった。売上高は同10・4%増の630億1700万円。ホタテやカニなどの水産品、ポーク、チキンなどの畜産品の売上が大きく増加した。利益面では、為替への対応に苦慮し、上期は高値在庫を抱えたことで同65・2%減の2億6300万円と苦戦した。
ただし、こうした状況下にあっても新たな販路も育成されてきている。ホタテやサバはアジアへの輸出取扱量が増加。ロシアの輸出規制強化にもかかわらず、輸入ルートが拡大したカニも利益率は向上している。5月には十勝第三物流センター(仮称)を着工。既存の第一、第二センターと合わせると、収容能力6万1300トンとなり、北海道内最大級の低温物流拠点となる。
年々食物の国内産志向が高まっている今、原料保管場所としての新たな拠点として位置付けている。16年8月の竣工予定。(記事提供: 株主手帳 7月号)
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