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(写真=PIXTA)


4-6月期は前年同期比+4.9%

実質GDP成長率(*1)は前年同期比+4.9%と前期の同+5.6%から低下したが、Bloomberg調査の市場予想の同+4.5%を上回った。前期比(季節調整済)で見ると+1.1%と前期の同+1.2%から低下した。需要項目別に見ると、輸出の低迷に内需の鈍化が加わり、成長率が低下したことが分かる(図表1)。

民間部門は、個人消費が前年同期比+6.4%(前期:同+8.8%)とGST(物品・サービス税)導入前の駆け込み需要の反動を受けて低下し、民間投資が前年同期比+3.9%(前期:同+11.7%)と交通機関や住宅関連の設備投資を中心に低下した。

政府部門は、政府消費が前年同期比+6.8%(前期:同+4.1%)と賃上げの影響で増加し、公共投資が前年同期比▲8.0%(前期:同+0.4%)といくつかの公営企業の投資計画が完了した影響で2期ぶりのマイナスに転じた。

輸出入は、輸出が前年同期比▲3.7%(前期:同▲0.6%)とマイナス幅が拡大し、輸入は前年同期比▲2.8%(前期:同+1.0%)と内需の縮小を受けてマイナスに転じた。

結果として、純輸出の成長への寄与度は▲1.0%ポイント(前期:同▲1.1%ポイント)と僅かに改善した。供給側を見ると、サービス業や鉱業の悪化が成長率低下の主因となったことが分かる(図表2)。

マレーシアの実質GDP成長率

サービス業は前年同期比+5.0%(前期:同+6.4%)と小売業や自動車販売業を中心に低下した。鉱業は前年同期比+6.0%(前期:同+9.6%)と昨年10月に操業開始した深海油田の影響で高めの伸びとなったが、天然ガスの産出減を受けて前期から低下した。

また製造業は前年同期比+4.2%(前期:同+5.6%)と電気・電子製品や石油、化学、ゴム・プラスチック製品など輸出型企業を中心に低下し、建設業は前年同期比+9.6%(前期:同+5.6%)と住宅建設や非住宅建設、土木工事が揃って低下した。一方、農林水産業は前年同期比+4.6%(前期:同▲4.7%)と、1-3月期の洪水被害からの反動でパーム油を中心にプラスに転じた。