◆そうした情報をエンドユーザーに分かりやすく伝える店づくりをしているのですね。

お客様に今のような話をすると「ほんと、こんなに違うんだ」とびっくりしていただけます。そうすると社員は自信を持っていろいろな話ができます。

◆宣伝広告も、お客さんにリフォームを伝える手段ですが、チラシでいうとどのくらいの枚数を配布しているのですか。

多いときは月に400万部ほどです。全店のチラシに載せたり、一部のエリアだけにしたり、色々なのですが、もっと中身を変えていかなくてはいけない。例えば、キッチンは壁側にあったものが、真ん中にくるとLDKを含め、見た目が大きく変わります。今まで私どものリフォームは壁付のI型ばかりでしたが、夢を感じてもらえるのはセンターにキッチンがくる形。

弊社の代表の久保もよくする話ですが、「モノではなくコト」の提案です。家電店なのでキッチンと冷蔵庫、調理用品を含めて生活シーンをトータルミックスした販促が打てるのは、工務店やビルダーにはできない家電の一番の特徴だと思っています。

◆つまり、商品の羅列ではなく、生活シーンが伝わるようなチラシの中身に変えていくわけですね。

家電との融合を今後していかないといけません。今、いろいろな新築住宅を見るとポイントはLDKです。キッチンを中心としたリビングをどう見せていくかが、お客様がチラシを見る一番の動機になりますので、生活シーンを載せていくようなチラシでいこうと考えています。

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工事件数は1.3~1.5倍に

◆現状約7万件の工事件数も増やす計画ですよね。
来年に向け、1.3倍から1.5倍にしていく計画です。新しい店舗は細かい工事が非常に多く、単価がものすごく低い。だから件数を伸ばさないといけません。工事拠点も今の48拠点を56拠点に増やします。

拠点を増やしていかないと距離が遠いだとか、小回りが利かないことも出てきます。加えて3月時点で208人の施工管理者も今期中に2割ほど増やす計画です。協力業者数も3月末時点で240社ですが、3割増しの計画です。


値決めを見直す

◆計画には、「価格の改定」という記載もありましたが、これはどういう内容でしょう。

値段を上げるように見えますね(笑)。別に高くするというわけではなく、値決めをもう一度見直すということです。家電の場合は毎週値段を変えることができますが、リフォームはカタログを作るので、極端な話、半年間値段の変更ができません。正直な話、お客様が必要とされてないのに、というものが結構ありまして、必要がないものは取り、必要があるものはもっと深める。これを7月から行いました。それと、必要がないものを載せすぎるとお客様は迷われてしまう。今回、かなり商品点数を減らしたつもりです。

◆あと店舗戦略でいいますと、今期はプラス5店舗と、あまりリフォームコーナー設置店を増やさないのですね。

結論は家電と違って増やしたからといって、売り上げが上がらないからです。結局リフォームは家電と違い、売場坪数かける坪単価が売り上げにならない。エディオンとしても当初、数を増やそうと進めていましたが結果的に数字が上がらないので、まず増やした店の売り上げを確実に上げることがベターということです。

◆従来掲げていた1000億円の売り上げ計画時期を今回の決算では出しませんでした。この意図は。

社内的に1000億円は、意識の中にはあります。ただ、やはり1000億円という数字が前にでることよりも大事なことは、お客様に価値あることを提供し、それをお客様に理解していただけるビジネスにすることです。エディオンとしてもここ2、3年非常に勉強になった年と思っています。住設というのは家電と違いカテゴリー数を増やせば増やすほど売り上げが下がります。

要はやっている人間が同じなので、いかに絞り込み、お客様への差別化を図っていくかです。そこを見つめ直し、付加価値づくりを行えるように努力していきたいです。

【 エディオン 会社概要 】
設立 * 2002年3月29日 / 代表 * 久保允誉 / 連結売上高 * 6912億1600万円(2015年3月期)(提供: リフォーム産業新聞 7月28日掲載)

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