日本の難民認定数はなぜ著しく少ないのか

何よりも大きく重要な違いは、そもそも国内に外国人がどれほど住み働いているかという、労働市場国際化の実態だろう。

2009年のデータながら、労働力人口総数に占める外国人の割合はドイツ、イギリス、フランスでそれぞれ9.4%、7.3%、5.8%。これに対し日本では0.8%と韓国の2.1%すら下回る。その是非をここでは論じないが、すでに1割近い外国人労働力が実在するドイツであればこそ、難民を経済的に自立させる道も工夫のしようがあるといえよう。ドイツ以上の人口減少が予想されているにもかかわらず、外国人労働力の流入に様々な制限を課しているわが国にとって、何万人というオーダーの難民を受け入れることはほとんど夢物語に過ぎない。

2014年の日本の難民認定は11人、申請者の0.2%に過ぎないが、それだけ審査が厳しいのは仕事を求めてやってくる「偽装難民」を排除するためと言われている。

日本がグローバルスタンダードでの難民受け入れを可能にするためには、まず移民労働、出入国管理を含む包括的な「外国人政策」の確立が不可欠だろう。それもないままで背伸びして難民を受け入れても、難民を「収容所」に閉じ込めるだけの結果しかもたらさない。

日本海の向こう側で難民が生み出されるような不測の事態が発生する確率も考えると、「極東の島国」に残された猶予期間はそれほど長いと思ってはならないだろう。 (ZUU online 編集部)