電卓・女医
(写真=PIXTA)


給料の3分の2を補償

突発的な病気やケガへの備えとして最近、がん保険やスポーツ保険、自転車保険などの広告をよく目にするようになった。こうした民間保険の加入者は年々増えているようだが、一方で、休業中に給与の3分の2を補償してくれる社会保険「傷病手当金」は意外と知られていない。

東京都が2013年に行った「がん患者の就労等に関する実態調査」のレポートでは、傷病手当金制度を「利用した」人はわずか31.5%で、制度そのものを「知らなかったので利用せず」と答えた人が、半数近い4割(39.5%)にも上っている。

知ってさえいれば給料の一部を支給されたかもしれないのに…。こんな後悔をしないためにも、健康なうちから支給条件や申請方法を学んでおいた方がいいだろう。詳しく説明しよう。


支給期間は最大1年半

傷病手当金とは、病気やケガのため休業せざるを得なくなった際、標準報酬額の3分の2に当たる支給を受けられるという便利な制度である。全国健保協会の保険制度に加入する企業の会社員なら誰もが利用でき、健康保険を適用した治療・療養のほか、自費で診療を受けた場合でも、就業できない理由を証明できれば支給される。

支給の条件は、病気やケガで医療機関を受診した際、医師などの医療従事者から、受診者(保険加入者)の病気・ケガの度合いと仕事の内容を照らし合わせて「就業できない状態」と判断が下されることである。ただし、一般で言う「労災保険の給付対象」となる業務遂行時の病気、通勤時のケガや、美容整形などの治療費用は支給対象外となる。

また、3日連続で仕事を休むことも必要条件の一つである。この3日間には有給休暇や土日、祝日などの公休日も含まれる。

手当金の金額は、標準報酬日額の3分の2となる。もし、休業日に給与の支払いがあったとしても、給与額が傷病手当金よりも金額が少ない場合は、傷病手当金がそのまま支給される。

支給期間は、支給開始日から最長で1年6カ月。支給対象期間中にいったん復職した期間があったとしても、復職した期間分を繰越して延長はできない。あくまで支給開始日から数えて18カ月間が対象期間となる。


当事者が申請手続きをする必要がある

傷病手当金については、当事者自身が申請手続きを行う必要があるという点に注意が必要だ。この制度は会社の福利厚生に関連する部署で自動的に処理はしてくれない。

まず、休業の理由となる病気やケガが発生した際、治療費の見込みや就業の可否を医師に相談しよう。そこで「就業不可」との所見を得たなら、それを会社に報告する。傷病手当金の適用が決まったら、医療機関と会社に証明書の作成を依頼し、全国健保協会に傷病手当金制度の申請書を提出する。こうしてはじめて、支給が受けられるようになる。

今回は「知られざる社会保険」の一例として傷病手当金を紹介したが、このほかにも補償内容が意外と知られていない社会保険は少なくない。これを機に、自身が加入するほかの社会保険についても確認してみてはいかがだろう。「転ばぬ先の杖」を「たんすの肥やし」としないために。 (ZUU online 編集部)

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