日本から事件の画像を送った携帯が利用不能に

通話も基本はすべて盗聴されていると思ったほうがいい。マークされた人は中国人、外国人関係なくあからさまに盗聴が行われる。もし通話音に不自然なザーっという雑音が入ったら一度電話を切って掛け直したほうがいい。ひどい場合は尾行されたり、公安の車が横付けされたりすることもある。

2013年秋に天安門前でジープが激突・炎上し、容疑者としてウイグル族が身柄を拘束される事件が発生した。事件直後から関連する情報は消されたため、北京市民には混乱と恐怖とデマが飛び交った。分からないことほど人を混乱させるものはない。

前出のジャーナリストが北京の友人に、LINEで日本や香港のニュースサイトを画像に落として送信したところ、ほどなく利用不能となった。中国版のLINE「WeChat」ではしばらくやりとりができた。

しかしまもなく友人の携帯に、私が送信した画像データにウイルスが含まれていると表示され、その携帯がフリーズしたのである。情報が止まることには慣れっこでも、携帯が使えなくなっては日常生活に困る。そうした人間の心理まで読んだ、実に巧妙な作戦だ。


中国でもFacebookを使えるやり方もある

もちろん抜け道もある。中国ではTwitter、YouTube、Facebookが使えないが、FacebookはVPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)などの突破ツールを用いれば利用できる。ただ北京では使えないが上海は問題なしといった具合に地域差がある。泳がせているようで不気味でもあり、いつ使えなくなってもおかしくない。

特別行政自治区の香港でさえ中国人民解放軍により通信傍受施設が建設されている。民主化運動家の通話、メール、Wi-Fi傍受が目的だと言われている。香港は香港の法律で運用されるべきであり、本来はあってはならないことであるが、これが現実だ。

中国では絶対ということは決してない。すべてが常に流動的で、我々から見たら常識外れであり、だまされない嗅覚を常に研ぎ澄まさねばならない。それを面白がり泳ぎまわるくらいのしたたかさがないと太刀打ちできないのである。(ZUU online 編集部)

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