3社合わせてNISA口座で買える金額か

今回の日本郵政3社株は売り出し株数が多く、できるだけ多くの個人投資家が当たるようにと配慮されているといわれます。それでも購入希望者が割り当て株数を上回った場合は抽選になります。

気になる公募価格ですが日本郵政3社株は大株主の日本政府=財務省の審議委員会答申を受けて、3社合わせてNISA口座で買える範囲の金額にとの意向が反映される可能性が高そうです。

さて、公募価格が決まり、購入希望者が代金を払い込んだ後、一定の期間をおいて、株式は株式市場での取引が始まります。


公開価格が公募価格を上回れば景気にプラス

市場初日にいくらの株価を付けるかは投資家はじめ証券関係者の大きな関心事です。

公開初日の株価が公募価格を下回った場合、購入者は含み損を抱え、失望します。逆に公開初日の株価が公募価格を上回った場合は売れば利益がでます。そのお金が消費に回れば景気にプラスですし、証券会社はまた次の株式を買ってもらえるのではないかと手数料収入を期待します。

株式を上場させた会社は株の上場が首尾よく行けば大きく「時価総額」が膨らみ会社の対外的位置付け、会社評価がつかめますし、次の公募での資金調達の手かがりになります。

だから、関係者一同、公募価格がいくらになるか、とても気になるのです。人気株の場合は初日から短い期間に株価が急騰する場合もあります。

日本郵政3社の場合は何回かに分けて株式を放出する点でまず初回の公募株を入手できれば有利といえます。人気度も知名度が高い点で高水準であると判断してもよさそうですから、初日からある程度のパフォーマンスは出すのではないかと思います。

では、公募に当たらなかった場合はどうでしょうか?


公募に当たらず市場で買う場合は?

公募株を買えなかった人は当たった人の売りを待って購入してもいいわけですが、その後、自分の買値以上になるかどうかは相場環境や日本郵政3社の成長力にもよります。

上場後の株価は日々の投資家の需給動向で株価が決まるので、日本郵政3社株を上場後に買う場合は今後の成長性をしっかり吟味しなければならないでしょう。

次回はその点について検討してみたいと思います。

*10月16日の 『元祖女性株式評論家』木村佳子が解説する「日本郵政3社上場」のポイント(2) に続く。

【著者略歴】木村佳子(きむら よしこ)NPO法人日本IRプランナーズ協会理事。日本チャート分析家協会、一般社団法人くらしとしごと生活者フォーラム代表理事。一級FP技能士(国家資格)。日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP。2013年4月より東証アカデミー、フェロー。個人の生活経済、金融リテラシー、ストラテジーをテーマに民間企業や金融機関、新聞社、自治体、各種商工団体等の主催するセミナー等での基調講演を務める。公的面では各省庁の審議会委員、専門委員などを務める。

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