judge gavel and dollars
(写真=PIXTA)

東芝 <6502> の不適切会計問題によって損失を被った個人株主は、集団訴訟に参加することで損害賠償を請求できることを以前の記事「 東芝株の保有株主が損を取り戻す法的手段とは? 」で紹介した。では実際に損害賠償請求した場合、いくらくらい取り戻すことができるのか。今回はこれを予想してみたい。

法的にこの金額を計算するためには、

①法的にどこまでが「損害」となるか
②法律でいう「損害」を東芝のケースを当てはめるとどうなるのか
③虚偽記載以外の事柄によって生じた株価の下落についてどの程度減額されるのか

この3点を順に見ていく必要がある。


法的にはどこまでが「損害」となるか

法的に「損害」とは、「(有価証券報告書などの)記載が虚偽であり、または欠けていることにより生じた損害」(金融商品取引法)となっている。しかし、この言葉だけでは抽象的で何を立証すればいいのかよくわからない。

そこで金融商品取引法は「推定規定」というものを設けている。「推定規定」とは、虚偽記載などの事実の公表がされたとき、公表日前1カ月間の市場株価の平均額から公表日後1カ月間の市場株価の平均額を引いた額を「推定損害額」とすることができるというものだ。


第一の問題は「公表日」

ここで問題になるのが虚偽記載などの事実が公表された日がいつか、ということだ。東芝不適切会計事件の場合、「公表日」となりそうな候補日はいくつもある。

4月3日、「特別委員会の設置に関するお知らせ」を発表
5月8日、2014年度業績予想を未定と発表(従前は当期純利益2500億円見込み)
5月13日、マイナス500億円の過年度修正の見込みと発表
5月29日、有価証券報告書提出延長と発表
7月21日、マイナス1562億円の過年度修正と発表
8月18日、マイナス2130億円の過年度修正と発表
8月31日、有価証券報告書提出再延長と発表
9月7日、マイナス2248億円の過年度修正と発表