新たな成長分野やベンチャービジネスも魅力

加えて、新たな高成長分野やベンチャービジネスの存在も見逃せない。電子決済のペイパル、ウェルネスを目的としたリストバンド・メーカーのフィットビット、電気自動車のテスラモーターズ、近く日本にも1号店出店予定の高価格ハンバーガーチェーンのシェイクシャック、クラウドサービスのbox、動画配信サービスのネットフィックスなど、短期的には株価が下落しているものもあるが、マスコミへの露出の高い成長企業は後を絶たない。

今こそ当たり前になったエスプレッソを主体としたテイクアウト主体のスターバックスは、株価が半値以下に急落する局面もあったが、ここ1年では7割以上も上昇している。

さらに、いまは逆風下にある新興国の企業だが、中国、インド、インドネシア、ブラジルなど、大きな消費市場をバックグラウンドとしたインフラ関連など、成長の可能性を秘めた企業が多く存在する点にも留意が必要だろう。

取引コストが高いのが外国株のデメリット

次に外国株投資のデメリットを見てみよう。まずは、取引コストが割高なことが挙げられる。

大手の証券会社では米国株と中国株がメインになっているが、手数料はかなり高く、片道1%を優に超える。これに比べると、楽天、マネックス、SBIといったネット証券は、一見かなり安い手数料を提示している。しかし、各社とも取引金額や株数などによって料率、最低手数料が決められており、結局は片道1%を超える手数料が課されることもある。

これに加えて為替手数料に当たる為替スプレッドがある。元で20銭、香港ドルで15銭、などと聞くとずいぶん安いようだが、1元が19円、1香港ドルが15円程度だから、いずれも売り買いの往復では1%程度のコストになる。逆に言うと、これらの手数料が、証券会社が営業を積極化させるインセンティブとなっている。大手証券会社が積極的に手掛けないほかの国の株となると手数料はさらに高くなる。

証券会社によって異なるが、特定口座やNISAへの対応も進んできた。NISAの場合国内では課税されないが、現地で課税された配当は戻らない(ただし、NISAの1年あたり上限100万円に収まるような投資では、手数料率がかなり高くなることに要注意)。一般口座、特定口座の扱いは基本的には国内株と同様になるが、確定申告をしない限り、外国税額控除は受けられないことも覚えておく必要がある。