巨大な資源企業のリスクとリターン
鉄鉱石を算出する国のランキングでは中国、オーストラリア、ブラジルが上位に並ぶ。BHPビリトン、リオ・ティントともオーストラリアと英国の両市場に上場されている資源企業。ブラジルのヴァーレも鉄鉱石が主力事業。カナダには産金企業のバリックゴールド、ゴールドコープがある。
いずれも巨大な資源企業であり当該国の輸出額に影響する。企業自体の株価と為替が同方向に動き、海外投資家から見ると乗算効果が出る。もちろん、資源価格が上昇すれば資源国通貨もつられて上昇、タイミング次第で高い投資効果も期待できるが、逆に下落局面では負のスパイラルとなる危険性もある。
インド株はADRでの取引が可能
インド株は外国人が直接売買することができないが、米国市場に上場されているADRで代替することができる。ブラジル株なども、コスト面からADRでの取引が有利になる。本格的にADRを含めた米国株を売買するなら、米国のネット証券を使ってドルのまま売買することも考えられる。
ニューヨーク証券取引所やナスダック、香港証券取引所では値幅制限が無いことに注意したい。また、中国の市場(深セン・上海)では、上場企業の申請で売買が停止されることが問題となった。7月の急落時には一時、上場企業の3%しか通常取引ができなかった。
中国の本土市場に上場される株は、中国人専用のA株と外国人も売買できるB株がある。近年は香港市場で上場する企業が増えており、本社が中国にあるものがH株と呼ばれる。中国系資本が35%以上入った銘柄はレッドチップと呼ばれるなど、香港株も含めた中国株は多彩なバリエーションがある。インフラ関連など中国の「一帯一路」に乗って持続成長可能な企業もあるが、不動産、建設、銀行などの銘柄数も多く玉石混交。日本のバブル前後の株価チャートと、この一年の中国株のチャートを見ると、そっくりな形になっているのが怖い(タイムスパンは、日本の場合で8年以上、中国は1年)。
確定拠出年金もおすすめ
最後になるが、個別株にこだわらず分散投資の一環としてインデックス投資を考えるならば、確定拠出型年金がおすすめだ。月々の投資額に上限はあるものの掛け金全額が所得控除できるので、NISAよりはるかに投資効果が高い。もちろん、運用期間中は非課税だ。金融機関にもよるが、外国株のETFなども対象になっており、価格変動のリスクが高くても「ドル平均法」の効果が得られるメリットを生かすことができる。(ZUU online 編集部)