外国株は情報収集が難しい

情報収集の難しさも外国株投資のデメリットだ。Google Finance、Yahoo Finance などで、日本の企業に関して得られるものと同等、あるいはそれ以上の情報が得られるケースは多いものの、それらはやはりOTC(店頭取引)マーケットを含む上場された企業の場合が多く、大化けするベンチャー企業の株を探すのは困難だ。

また、そうした企業の詳細情報を得ても有望かどうかを判断することは難しいし、仮に有望と判断しても投資するには大きなハードルがある。有望な投資先は、すでにベンチャー・キャピタルなどが発見し、手ぐすねを引いているからだ。

投資手法の選択肢が多彩

個別の企業に固執しないのであれば、株価指数などに連動したETFも投資の選択肢となる。東京証券取引所にも外国株価指数などに連動した円ベースのETFがあるが、アメリカの市場に上場された米ドルベースのETFのほうがバリエーションや流動性の面で選択肢が多い。ただし、ETFは設定額が小さい場合、流動性が劣る場合や、市場での規制などがある場合などに、対象指数に対してパフォーマンスが悪化することも多く、注意が必要だ。

個別株の場合、米国に上場されているADRに代表される預託証券も選択肢となる。アリババのように米国市場で直接上場する銘柄もあるが、企業の本社がある本国の市場で上場していて、米国市場にADRを上場する会社が多くある。前述したスイスのノバルティス、ロシュ・ホールディング、ネスレやデンマークのノボ・ノルディスクなど本国市場での株とADRとの流動性を鑑みて、取引コストを総合的に比較することが必要となる。

また、注文の際に証券会社によっては、海外委託取引と国内委託取引(店頭設定)など複数の方法がある。提示された価格だけでなく手数料などのコストを考慮して判断しなければならない。

国や地域別の特徴を踏まえた注意点

まずは、為替変動リスクがあることが日本株との大きな違い。アベノミクスによる金融緩和が一段落した今、一方的な円安傾向は期待しにくい。グローバルに需要の減退が見える中で、資源価格は低迷している。

ロシアは、サウジアラビアや米国に並ぶ石油産出国で、石油・ガスへの依存度が高い。ガスプロムやロスネフチなどが有名。また、マレーシアのペトロナス、ブラジルのペトロブラスなどは国の中で比重が高い。