伝統的な名前がいまだ主流だが……

そのため英国民統計局(ONS)が毎年発表する「新生児に人気の名前トップ100」では、数年ごとに名前の流行は変化するものの、依然として伝統的な名前が上位を独占している。
ここ数年では女の子部門は3年連続でアメリアが首位、次いでオリビア、アイラとこちらも手堅い。男の子部門は上位6位までがオリバー、ジャック、ハリーなど昨年から変動なし。

こうなると「英国ではキラキラネームをつけたくてもつけられない」という結論に達すしそうなものだが、そうとも限らない。


英国風は「時の人」エルサ、王室、1D、X-メン……

英国には流行モノに弱い親が多いようで、その年話題をさらった人物がそっくりそのまま「旬の名前」に反映するという傾向が見られる。特にセレブの影響は相当なもので、年々お気に入りのセレブやその子供にちなんだ名前を付ける親が増加しているという。

たとえばポップスターのリタ・オラやイギー・アゼリアのアルバムが爆発的なヒットを飛ばした2010年には、「リタ」「アゼリア」と命名された女の赤ちゃんが急増。ディズニー映画『アナと雪の女王』が公開された2013年には「エルサ」が大人気。「アナ」のほうはそれまで定番過ぎたせいか、逆に減少しているという面白い結果に。

男の子では根強いロイヤルファミリー・ネーム(ハリー、ウィリアム、ジョージなど)に加え、映画『X-メン』のキャラクター「ローガン」(ウルヴァリン)、ポップグループ、ワン・ダイレクションのメンバーの名前(ルイス、リアムなど)が人気だ。

しかし「流行=個性」という点では大いにインパクトに欠ける。クラシックな名前同様、その年流行してしまったばかりに「同じクラスや職場にアメリアが3人」というケースも珍しくはない。